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こんにちは!
約10年のアメリカ生活で、リスニングに苦しみながらも克服した経験を持つ【海外サラリーマン むさし】です。
英語のリスニングは、日本人にとって最大の難敵の1つ。あなたも
「読めば分かるけど英語で聞くと違う…」
「英語が速くて聞き取れない…」
などと悩んでいるのではないでしょうか。
そんな悩みを受け、世の中には色々な「英語リスニング教材」、例えば次のような教材が人気でおすすめされていますよね。
- VOA Learning English
- アルク【ヒアリングマラソン】
- レアジョブのリスニングアプリ
- スタディサプリ
- English Central
- TED、Youtube、海外ドラマなど
でも、私自身がリスニングを克服した経験からすれば、このような教材は初心者には
あまり効果がない
うえに、かえって遠回りになる可能性があるので、おすすめできないと私は考えています(私が経験済みです…)。
ですが、このように言うと
「え、そんな…」「じゃあ、どうすれば…」
と思ってしまうと思いますので、この記事では「多くの人気リスニング教材がオススメでない理由」と「効果的にリスニングを上達させる必殺の勉強法」を紹介していきたいと思います。
この記事の目次
【英語リスニング】人気教材=おすすめ「ではない」理由
上で書いた「人気リスニング教材だからといってオススメではない」という理由。
それは、リスニング教材の多くは「聞くことが中心」で、基本的に【聞いているだけ】だから。
「リスニングなんだから聞く力をつける練習が中心でしょ」と思うかもしれませんが、それだと英語の聞き取りは上達しないんですね。
残酷な真実を言ってしまえば、英語を聞くことで聞き分けられるようになるのは、脳が発育途中の子供(12才ぐらいまで)だけの特権。
これは人間が生まれつき持っている本能ですが、大人になるまでに失われてしまいます。
脳が育ってしまっている大人は、聞くだけでは自然に英語が聞き取れるようにはならなりません。
ですので、私たち大人は大人に合った方法で聞き取りを攻略する必要があるわけです。
では、私たちにとって本当に効果的なリスニングの勉強法とは何でしょうか。
初心者にも効果的!英語リスニングを鍛えたい人向け【おすすめ上達勉強法】とは
英語のリスニングに欠かせない2つの力
結論から言ってしまうと、リスニングを強化するには「話す力」を強化するのが一番早道です。
【聞く力】は【話す力】の裏返しであり、私も話す力が上がっていくことで英語が聞き取れるようになることを経験しています。
この逆、つまり世の中で言われているような「英語をたくさん聞きましょう」とか「習うより慣れよ」といった「受け身の練習」では、実際には効果がありません(これも経験済み)。
ですので、あなたが「英語のリスニングを伸ばしたい!」と決心しているのであれば、受け身ではなく「話す力を伸ばす」ことに取り組んでみることを強くおすすめします。
では、「話す力」ってなんでしょう?
それは、次の2つ。
- 英文を組み立てる力(英作文力)
- 英語を発音する力(発音力)
このどちらが抜けても、「英語が話せる」という状態にはならないですよね。
学校や英会話スクールなどでは教わりませんが、英語リスニングの上達にはこれらを「正しく」学んで身につけるのが、最も効果的で近道です(この「正しく」の意味は、後で説明します)。
では、なぜ【話す力】が英語のリスニングに必要なのでしょうか。
【話す力】がリスニング上達に大切な理由
リスニングに必要な【2つの理解】
話す力がリスニングに必要な理由を説明するために、英語を聞き取ってパッと理解するために必要な【2つの理解】について説明したいと思います。
それは、次の2つ。
- 聞いた音を理解する【音の理解】
- 聞いた英文の意味を理解する【意味の理解】
英語を聞いて理解する、ということは、このように2つの面に分けられるんですね。
例えば下のように相手に話してきたとします。
ちょっと速くて分かりにくいかもしれませんが、これを下の絵のように単語ごとの発音が聞き取れる、というのが「音の理解」になります(下手な絵ですみません…)。
全部を100%聞き取れなくても多少は話の流れから考えることはできますが、やはりある程度は単語レベルで聞き取れないとリスニングは難しいですよね。
また【意味の理解】は、上の音声を聞いたときに下の絵のようなイメージがパッと頭に浮かぶ、という感じですね(相変わらず下手な絵ですみません…)。
これらの「2つの理解」が揃うことで「英語が聞き取れる」ようになるわけで、それぞれを鍛えていく必要があるわけですね。
そして、話す力を鍛える練習は、そのまま「2つの理解」を鍛えることに直結します。
リスニングの【2つの理解】を鍛えるには
上で説明した2つの【理解】のためには、音にしても意味にしても「ルール」をしっかり理解していることが必要です。
音の理解であれば「英語発音のルール」、意味の理解だったら「英語表現や組み立てのルール(=文法)」を知らないと、全然理解できないですよね。
相手の手の内が分かるから、相手が何をやってるか(=何を言っているか)が分かるわけです。
ですので、これらのルールを学んで身につけることが必要となるわけですが、実際には単に「知ってる」というレベルでは、あまりリスニングの上達は見込めません。
その状態では、まだ自分の中に染み込んでいないので、しっかり定着している、とは言えないんですね。
文法や発音のルールをリスニングで使えるようになるには感覚レベルに染み込んでいることが必要で、「自分でもできる・使える」というレベルを目指す必要があります。
そこで効果的なのが「自分でもできる」ようになる練習、つまり
- 英文をルール通りに作る練習(英作文)
- 英文をルール通りに発音する練習(発音練習)
です。
このような練習を通じて「自分でもできる」状態になることで、リスニングのときにもパッと対応できるレベルで英語のルール(表現・文法・発音)が身につけられるわけなんですね。
ちなみに、リスニングの練習法としておすすめされている「ディクテーション(書き取り)」や「シャドーイング」などは、これらの力が身についていないとあまり意味がありません。
これらの練習は、【音の理解】や【意味の理解】を身につけるには「ぶっつけ本番」でハードすぎるんですね。
実際にはこれらの練習法は、【2つの理解】が身に付いたあとで、それを強化するための練習法になります。
以上が、話す力、つまり【英作文力】と【発音力】が英語のリスニング上達に大切な理由です。
特に発音練習については、自分で英語の発音がルール通りにできるようになると、英語の音が脳にしっかり定着するので、話すのも聞くのも楽になって英語で話すことのストレスが劇的に低くなる、というメリットがあります。
また、この状態では英語表現を音で覚えることができるので、会話やテレビで使われる英語をパッと自分のものにすることもできるようにもできて、英会話力が爆発的に上達します。
この2つのメリットは私が実際に体験しており、私の人生を変えるぐらい私の英会話を変えました。
ですので、もしあなたも「英語がうまく話せない・聞き取れない」と悩んでいるのであれば、「正しく発音を練習する」ことを強く強くおすすめします。
そして「正しい発音練習」は、あなたが思っているほど難しくはありません。
英語の発音練習は難しい?それは誤解です
このように発音練習にはメリットしかないのですが、英語の発音練習と聞くと「難しそう…」とか「前に挑戦したけど無理だった…」とか感じているかもしれませんね。
その気持ち、私にも分かります。
英語には日本語の倍以上の音(母音が16種類、子音が24種類)ありますから、練習しようにも「どうすればいいの?」という感じになるのも無理はありません。
でも、それは「きちんとした教材で勉強する」ことで解決するんですね。
あなたが英語の発音練習で苦労するのは、見よう見まねの自己流で練習したり、きちんとした教材で学習していないから。
私はアメリカでプロのトレーナーから発音矯正を教わりましたが、きちんと説明を受ければ「え、実はそんなことだったの?」と感じるぐらいシンプルなものでした(もちろん練習は必要です)。
そして「きちんと学んで理解」したうえで練習すれば、2~3か月で英語の発音が身についてきてリスニングが劇的に上達することも経験しています。
となれば、ここまで読んだあなたがやるべきことはただ一つですよね。それは【正しく練習できる】発音教材で【正しく発音練習をする】ということ。
大切なのは「正しく学んで正しく練習する」ということです。
これがないと、ただ自己流での練習になりますから、かえって良くない結果となる危険性もあるんですね。
「でも、どんな教材を選んだらいいの?」
そんな疑問を持つあなたのために、次にリスニングに役立つ発音教材の選び方を紹介していきます。
実は、「正しく練習する」ためには、発音教材ならなんでもいいわけではなく、1点だけ大切な注意点があるんですね。
リスニング教材・参考書の【選び方のポイント】と注意点
【注意!】実は発音「だけ」練習してもダメ
発音練習を「正しく練習する」ときの注意点。それは
「発音『だけ』練習しても効果は薄くなってしまう」
という点です。
どういうことかというと、「r」や「v」や「th」など「個々の【音】」だけではなく
英語特有のリズムやイントネーション、そして音声変化も同じぐらい大事
ということ。
これは日本の学校などでは教わらない重要な真実なんですが、実は英語は一定のリズムを守るために発音が犠牲になることもあるんですね。
その結果、音がきちんと発音されない「弱音化(適当発音でごまかされる)」という現象が起こり、それがあなたの「聞き取れない」につながってきます。
そのうえ、音があちこちでくっつく現象(リエゾンと言います)も起こりまくるので、スペル(から想像される音)とは違って聞こえ、
「読めば分かるのに…」
ということになってしまうわけなんですね。
誤解のないように言いますが、リズムや音声変化が大切、ということは「発音そのものは大切ではない」ということではありません。
それぞれの音(16個の母音と24個の子音)の発音はもちろん大切ですし、練習して身につける必要があります。
でも、それと同じかそれ以上に大切なものがある、という話ですね。
実際の英語は音声変化でこんなに変わる
たとえばこのような音声があった場合、きちんと聞き取れるでしょうか。
「最初の “The plane(その飛行機)” と最後の “technology(技術)” は分かるけど、「途中はグシャグシャっと聞こえる…」と感じるのではないでしょうか。
ひょっとすると「『ステイルバー』テクノロジーってなんだろう…?」と疑問に思ったかもしれませんね。
実はこの音声は、
と言っています。
「ステイルバー」と聞こえたのは「state-of-art(最先端の)」だったんですね。文字で書いてみると、難しい単語は使っていません。
難しい単語は使っていないのに聞き取りが難しいのは、日本語とは違うリズムで読まれているうえに、次のような音声変化が起こっているから。
- 英語は1音1拍(日本語のリズム)ではなく、音の強弱によって伸び縮みする
- plane uses a が隣どうしくっつき「プレーニュージザ」に聞こえる
- state の最後の t の音が弱くなって変化(弱音化)し、タ行ではなくラ行になる
- 同じく of も「オブ」ではなくあいまいな音になる(これも弱音化)
- state of art technology が隣どうしくっつき、「ステルバーテクノロジー」に聞こえる(art の t も次の technology に吸収されて消える)
こうやって説明してみると、均等なリズムで1音ずつはっきり発音する日本語よりも、かなり複雑な感じがしますよね。
このような
- リズムの影響で、途中の音がはっきり発音されない(弱音化)
- 音がくっついたり抜け落ちたりする(結合・脱落)
といった「音声変化」こそが、あなたが英語を聞き取れない大きな原因です。
発音の中でも、この「音声変化」を攻略することがあなたの英語リスニングを上達させる大切なカギ。
繰り返しになりますが、【自分でもできるようになる】ことがリスニング上達の近道、ということですね。
ですので、このような「音声変化」、そしてその元となる「英語のリズム・イントネーション」もしっかり学んで練習することが、リスニングの上達には絶対に欠かせません。
【悲報】日本では「きちんと英語発音を学ぶ」ことは難しい?
問題は、リズムや音声変化を「基本からしっかり」説明できる人が少ない、ということ。
発音教材を見ても、そこの部分の説明が抜け落ちていたり、サラッと「これはこういうリズムで読みます」というだけだったりすることは多いです。
やはりこれは「教える側が知らない」ことが大きな原因ではないか、と私は考えています。
前の方で触れたようにネイティブでも発音を学んだわけではないですし、日本人の講師でも「なんとなく」でやっていて間違っている人も数多くいます。
でも、「なぜ」そうなるのかが理解できないと、自分で話すときに再現できないですよね。
このように言うと
「じゃあ、発音を鍛えてリスニングを上達させるのは無理ってこと?」
と不安になるかもしれませんが、そんなことはありません。
こちらの記事では、私が実際に試したうえで「本当におすすめできる」と判断した教材を紹介しています。
>> 【英語リスニング教材】比較ランキング2020年版で失敗なし!
リスニングを上達させる教材を選ぶために私が重視しているポイントも解説していますので、もしあなたがリスニングで悩んでいるのであれば、ぜひ参考にしてみて下さいね。
コメント
13歳の者です。
上記で「英語を聞くことで聞き分けられるようになるのは、脳が発育途中の子ども(12~14才くらいまで)」と記されていましたが、それは聞き流し学習に効果が見られるという解釈でよろしいのでしょうか?
そして、今どうしたらリスニング力が上げられるかがわからず悩んでいます。
まだ知識が豊富でない私(英検4級程度はあります)はリスニング力を上げるために何をしたら良いのでしょうか?
教えてくださると嬉しいです
こはるさん
コメントありがとうございます。13歳ということは中学生で、英語を学校で勉強するようになって3~4年というところでしょうか(最近は小学校から英語があるんですよね?)
ご質問についてですが、本文で書いた「英語を聞くことで聞き分けられるようになるのは、脳が発育途中の子ども(12~14才くらいまで)」というのは、
小さいころから英語に囲まれて育った場合には、脳の発達に伴って自然と聞き取れるようになっていく、という意味で、
そこまで英語で囲まれていない場合(多くの日本人はそうだと思いますが)には、13歳でも「聞き流し」ではなく大人と同じように「聞き取る練習」をする必要があります。
ではどうやって聞き取る練習をするか、と言いますと、個人的な経験からは「話す力を鍛える」ことが聞き取る力につながってくると考えています。つまり「同じように話す練習(特にリズムが大切)をすることで聞き取りが上達する」ということなんですね。
そこで、こはるさんが英語の聞き取りを上達させるためには、次の点がポイントになります。
・ 聞き取りで使われている英文(学校のテキスト?)がきちんと理解できるように勉強する(読んで分からないものは聞いても分かりません)
・ そのうえで、その英文を同じリズムで話せるように繰り返し練習する(できれば同じ発音で練習したいが、きちんと習わないと変な発音になるので最初は気にしなくていい)
ちょっとリズムについてポイントを説明しますと、英語は「強く読むところがリズムの1拍になる」ので、強く読む場所を最初にチェックしてから軽く手を叩いて練習すると身に付きやすいです。
ぜひ、こういった練習で口を動かし、リスニングを鍛えていってほしいと思います。
むさし