こんにちは!「英会話教材バスターズ」管理人、むさしです(プロフィールはこちら)。
今回は、楽天などで人気の【ネイティブイングリッシュ(Native English)】という教材を取り上げてレビューしていきます。
ニューヨーク出身のバイリンガルの女優さんがキャラクターとして採用され、人気の教材ですね。
しかし結論から言いますと、私の中では
返品確定教材
となってしまったネイティブイングリッシュ。
今回の記事では、この教材の内容を紹介しながら、なぜそのような結論となったのかを説明していきたいと思います。
ネイティブイングリッシュの内容レビュー
CD15枚+テキストの中身は
ネイティブイングリッシュは、本編がCD15枚組+テキストが1冊、という構成になっており、その他に特典として
- ニュアンス解説CD(3枚)
- ビジネス英語(4枚)+薄いテキスト1冊
がついてきます。
この本編は、スピーキングとリスニングが6枚ずつ、そして日本語の入っていないナチュラル英語CDが3枚で計15枚となっています。
CDのケースを開けてみると…
このようにCDがガッツリ入っています。
そしてテキストには、使われている会話と覚えるべきフレーズ、そしてフレーズについての解説(後で説明します)が載っています。
著作権の関係からテキストの写真は載せられませんが、掛け合いが5~7往復する、というぐらいのイメージを持ってもらえればいいでしょうか。
音声では全体が2回繰り返されますので、2~3分で聞ける内容になりますね。
教材は会話の回とフレーズの回が交互
音声は1日分の量が1回とされていて、会話の回とフレーズの回が交互にあります。
つまり、短い会話を聞く・話す練習をした次の日には、前日に学んだ会話の中の大事なフレーズのみを取り出して練習する、という流れになっているんですね。
また、ときどき会話ではなくニュースなどの回もあり、会話ではないビジネス系の表現に触れることができます(その場合はフレーズの回はなし)。
公式ページでは「1日6分聞くだけ!」と宣伝している通り、1回あたりの音声の時間は1~3分(リスニングとスピーキングを合わせると3~6分)程度ですね。
会話は78種類、あいさつから旅行まで
会話の内容は簡単な挨拶の定番フレーズから始まり、仕事のことやレストランの予約、旅行など78種類が用意されています。
お、中には「パスポートを紛失して大使館に連絡する」なんていうのもありますね。
普通に考えると、日本大使館に電話するんだったら日本語ですんでしまうはずですが…(日本大使館・領事館の職員は、原則として現地に住んでいる日本人です)。
特典:ニュアンスCDの中身は
ネイティブイングリッシュには、「ラジオ感覚で楽しめる」という触れ込みのニュアンス解説CDが特典として付いてきます。
これは、ネイティブイングリッシュで紹介しているフレーズについて利用者から寄せられた質問に答える、という形式で、DJが使い分けや色々な言い方を説明しています。
最初の回は使い方の説明でしたので2分程度ですが、通常の回は15分程度の長さになっています。
このCDの使い方は、本編のスピーキング・リスニングレッスンの14日ごとに聞く、ということが想定されています。
ですので、最初の13日分のスピーキング、リスニングをやったら、そこで学んだフレーズに関するニュアンスCDを聞く、という流れになりますね。
感触としては、確かに「ラジオ感覚で楽しめる」というのもウソではなく、けっこう自然と耳と頭に入ってくるCDでした。
と、ここまでネイティブイングリッシュの内容を紹介してきましたが、なぜこの教材が返品確定なのか、それを説明していきたいと思います。
ネイティブイングリッシュの評価が「返品確定教材」なワケ
ネイティブイングリッシュが返品確定である理由。
それはズバリ、この教材が「まるっきり説明のない教材」だからです。
その意味を、もう少し掘り下げて説明していきますね。
ただのフレーズ集であり応用が利かない
まず言えることは、この教材はただのフレーズ集である、ということ。
テキストは、左のページに会話、右のページには重要フレーズが載っているのですが、解説はほとんどありません。
ない、というのは語弊がありますが、会話については日本語訳、フレーズについては「このフレーズはこういう意味です」程度で、たまに「こういう場面での定番フレーズです」という程度。
文法的な説明も使いまわしの説明もありません。
この教材は「文法などの難しいこと抜き」に英会話を習得する、というのがウリなのですが、これではフレーズを覚えるだけで終わってしまう、というのが現実でしょう。
来月に海外出張が!というときに、緊急避難的に覚えるならそれなりに価値はあるかもしれませんが、英語が話せるようになるというのとは程遠い、というのが私の結論ですね。
練習の仕方の説明もない
フレーズの説明不足に続いては、もっと深刻な問題、練習の仕方の説明不足です。
このネイティブイングリッシュのテキストでは、最初に数ページを使って効果的な学習法が書かれています。
その部分の説明ですが、基本的に「リスニングでネイティブの発音に慣れて、スピーキングで真似をしましょう」以上の内容ではありません。
それなりに英語に慣れている人ならいいでしょうが、初心者向けの教材でこれはないですよね。
言ってみれば、ポンと教材渡して「これ聞いて覚えて、自分で真似しといて」って言っているようなものですよ。
初心者であればこそ、特に次のようなことについて手取足取りの説明が必要だと私は考えています。
- 聞き取りのポイントは何か
- ネイティブは実際にはどう発音しているのか(音声だけでなく解説が必要)
- 自分で英語を口に出すときのポイントは何か
これらを説明しないで「はい、やって」じゃあ無理ってものです。
なんというか、典型的な日本の「ダメ英会話教材」の例を見た気分ですね。
本当の狙いは高額な「2日間の特別レッスン」?
このように「役に立たない」ネイティブイングリッシュですが、実は箱を開けると上の写真のように「チラシ」が目に飛び込んできます。
これをよく読むと「2日間の日本語禁止レッスン」とあり、この教材を買った人は割引になる、と書いてあります。
実はこれ、裏を見るとけっこうなお値段なんですが、
もしかしたら、このセミナーに勧誘するのが本当の目的では
とか一瞬思ってしまいましたね。
いや、そんなあくどいことは、いくらなんでもなぁ、と信じたいですが…。
※なお、この教材を入手すると、追加の「リスニング教材」のご案内メールが届きます(つまり別売り)。
こちらについては、また後日記事にしていく予定です。
フレーズを覚える「だけ」では英会話ごっこで終わる
将来の発展性がない英会話教材
このようにこき下ろして正しく評価してきた【ネイティブイングリッシュ】ですが、一言で言えば「英会話ごっこ」で終わってしまう、ということになります。
別の言い方をすれば、「将来の発展性がない」ということで、言いたいことが話せるようになることにつながらないんですね。
確かに、テキストで使われているフレーズを言えるようになる(かもしれない)し、聞き取れるようになる(かもしれない)のですが、それだけです(それも怪しいけど)。
ちょっと違う状況になったり、違うこと言われたら、もうお手上げですね。
ネイティブのフレーズを使うのが問題ではなくて…
かと言って、私はネイティブのフレーズを英会話の学習に使うことに反対しているわけではありません。
私は中国語やスペイン語など他の言語も勉強(初心者レベル)してますが、そのような教科書も基本的には会話フレーズから入っています。
でも違うのは、その会話をネタにして、文の組み立ての説明や使いまわしの練習がある、ということなんですね。
それがあるので「こう言いたいときはこうしよう」という形で応用でき、自分の表現として使えるようになっていくわけです。
そのような私の経験や価値観に照らしてみた結果、今回紹介したネイティブイングリッシュは全く反対に位置しているようにしか思えない教材でした。
初心者には「きちんとした説明と指導」のある教材を
ネイティブイングリッシュも、フレーズ自体は「あ、こんな言い方するんだ」という発見のあるものですが、説明が全くないというのが致命的ですね。
英会話フレーズは覚えるだけでなく使えるようにすることが目的であるはず。
そのフレーズ自体の説明もないうえに、練習の仕方やポイントが分からないと、本当にただ自己流の練習になってしまいます。
やはり初心者場合には、きちんと理解したうえで練習する、それが英会話習得のカギとなります。
そのために英会話教材がある、と言っても過言ではありませんよね。
そういった「きちんと理解したうえで練習できる」教材については、こちらの
「【比較評価ランキング2018年版】海外生活10年男のおすすめ英会話教材」の記事でまとめて紹介していますので、
あなたが教材を選ぶときには、ぜひこちらを参考にしてみて下さいね。
絶対に役に立ちますから。