こんにちは、闘う海外サラリーマン むさしです。
今回は「英語のリエゾン中級編」として「子音+母音」以外の形を紹介します。
通常「リエゾン」というと Have an apple? のように子音の後に母音が来るパターンを思い浮かべるかもしれませんね。
実は英語の音の結合は、このような「子音+母音」のパターンだけではありません。
「え、これも?」という「学校では習わないリエゾン」も存在します。
しかも会話に平気でしょっちゅう出てきます。
そこで今回の記事では、日本の英語教育では教わらない、奥深い(?)英語発音のつながり(リエゾン)を紹介していくことにしましょう。
目次
英語発音のリエゾンは何通りもある
英語発音のリエゾンと言えば「子音+母音」だけ?
英語は日本語とは違い、音どうしがくっ付いて別の音になることが普通です。
そのような音のつながりを「リエゾン」と言うのでしたね。
そして普通は、最初に書いたように「子音+母音」の発音の結合と同じ意味で使われています。
でも考えてみれば、音のつながりの組み合わせは本当は4通りあるはずですよね。
それは
- 母音+母音
- 母音+子音
- 子音+母音
- 子音+子音
の4通りです。
この、他の組み合わせについては考えなくてもいいんでしょうか。
「母音+母音」「子音+子音」のリエゾンは簡単?
このうち、「子音+母音」はすでにおなじみですね。
また、「母音+子音」の場合には、特に結合は起こりませんから、普通に発音すればいいだけです。
そうすると残ったのは、「母音+母音」と「子音+子音」。
「別に大したことなさそうじゃん」と思ったあなた、
大間違いです。
実はこの2つも音の結合が起こる組み合わせで、それも「子音+母音」よりも注意が必要です。
特に「子音+子音」の場合、これができたら発音練習は卒業、いや免許皆伝というぐらい、実は難しい話なんですね。
この「子音+子音」のリエゾンパターンは説明が複雑になりそうなので、別記事で改めて説明することにしたいと思います。
そうすると残るは「母音+母音」ですが、このパターンに入る前に「子音+準母音」という特殊ケースを見ていくことにしましょう。
子音+y(準母音)の特殊なリエゾンパターン
これは厳密には母音ではないですが、特定の子音の後ろに準母音である y が来る場合には、特殊なリエゾンが起こります(アメリカ英語では特に)。
そのパターンを書いてみますと
- t + y = ch (Nice to meet you. など)
- d + y = j (Did you / Would you など)
- s + y = sh (I miss you. など)
- z + y = zh (Where is your car? など)
になりますね。
特に、
Nice to meet you.
などは、あえてカタカナで書けば「ナイストゥミーチュー」などと発音されるのは、あなたも聞いたことがあるでしょう。
ただ、TOEIC の音声や英会話教材などを聞いていると、
Nice to meet you.
の t と y を「ミートュー」のように発音し、2つを混ぜて ch の音(ミーチュー)にしていないこともよくあります。
教材なので丁寧に発音しているのかもしれませんが、混ぜるのが気持ち悪い、と思う人はそのままでもいいかもしれません。
この辺りはお好みでどうぞ。
ただ、アメリカ英語的には混ぜるのが普通ですね。
なお、この発音変化のことを「連結」ではなく「同化」と呼ぶ場合もありますが、どちらにしても音がつながって変化するわけで、呼び方などはどうでもいい話です。
言語学者になるのでなければ、呼び方なんか特に覚える必要もないでしょう。
英語発音のリエゾン:見知らぬ音が発生する「母音+母音」のパターン
母音+母音のリエゾンに発生する「別の音」はどこから?
さて次は「母音+母音」のリエゾンです。
日本語では「あお」とか「うえ」とか言っても音がくっついたり変化したりしませんから、今ひとつピンとこないかもしれません。
しかし英語では、この場合には別の音が紛れ込むことが頻繁に起こります。
例1:Go aheadに紛れ込む音
まず例を挙げてみましょう。
"Go ahead(先へ進んでください、お先にどうぞ)" という場合です。
この場合、go と ahead の間に小さい "w" の音が入ります。
あえてカタカナで書けば、「ゴゥワヘッド」という感じになります。
このワ行の音、一体どこから来たのでしょうか。
これは、発音記号で書くと理由が説明できます。
"Go ahead" を発音記号で書くと [gowəhed] となります。
これを見ると分かるように、すでに途中に w が入っていますよね。
では一体、この w はどこから?
英語の長母音=二重母音が「見知らぬ音」の原因
実は、go の母音は長母音、つまり二重母音で [ow] の音(オゥ)になります。
そのことが、母音+母音の結合に影響し、 [ow] の w と次の母音 [ə] がくっついてワの音が生まれるわけですね。
基本的に英語の長母音は二重母音ですので、この「二重母音+母音」の場合には小さい w や、次に説明するように y が入ってきます。
例2:No ideaには、2つの音が紛れ込む
もう一つ例を挙げます。
No idea(分からない)
こちらは、ワ行の音とヤ行の音が生まれます。
あえてカタカナで書けば、「ノゥワイディュ」という感じになりますね。
これも、発音記号で見てみましょう。
この英文を発音記号で書けば、[nowaydiyə] になります。
No の o([ow])も idea の e([iy])も、ともに二重母音ですので、それぞれの w と y が次の母音とくっついて、ワ行の音やヤ行の音が発生するわけですね。
デーモン小暮閣下もこんなコメントを…
この「全然別の音が入り込む」現象について、実は聖飢魔Ⅱのデーモン小暮閣下がテレビで次のようなコメントを残しています。
番組はご存知「空耳アワー」、おそらく放映は1990年代前半だと思いますが、タモリさんも若いですね。
【空耳アワースペシャル 秋の新作コレクション(4:45 ~ 5:28を再生する設定にしています)】
[arve url="https://youtu.be/hY5v6pUZMuE" parameters="start=285&end=328&rel=true"]
デーモン小暮閣下は、世を忍ぶ仮の姿の子供時代(人間の家庭に潜入中)にアメリカで過ごしたので、実は英語がけっこう堪能なんですよね。
その閣下の(この部分の)コメントはほぼ核心を突いているのですが、正確に言えば
"the [ðiy]" の [iy] と "ogre [ow-gər]" の [ow] がくっついて [yo] の音が生まれているわけなんですね。
ちなみにコメントの後半では「普段と違うイントネーションで発音するとこうなる」と仰ってますが、実はそんなことはなく、普段の会話でも音の並びによって普通に起こります。
英語は自分で発音できるようになると聞き取れる
このようなパターンは、気を付ければいくらでも見つけることができます。
そして、あなたが自分の英語発音に気を配り、自分でできるようになると他人の発音も聞き取れるようになります。
発音を聞き取るには、まず自分ができるようになること。
それを目指して練習してみると、相乗効果で英会話力はグングンと伸びていきます。
英語発音のリエゾン:日本人には最も難しい「子音+子音」のパターン
最後は、実は日本人にとって最も強敵である「子音+子音」のパターンです。
なぜ難しいのか。
それは、日本語を母国語とする人は間に余計な母音を入れずに子音だけを連続して発音することが苦手だからです。
というか、そんなこと考えたことありませんよね。
日本語は常に母音が入りますから、難しいのは当然です。
今はできなくても気にしないでください。
さて、そのように難しい「子音+子音」のリエゾンパターンですが、説明を始めると長くなりますので、こちらは別記事に分けたいと思います(現在鋭意作成中)。
まとめ
どうでしょうか。
今回は、実際には英会話でよく使われているけど学校では習うことのない音のつながりを説明しました。
今回紹介したリエゾンのパターンは、あなたにとって新しいことであるため、吸収するのに時間がかかるかもしれません。
でも、それで構いません。
練習すれば必ずできるようになり、通じる英語発音だけでなく英語を聞き取る力も身についてきます。
そうなれば「英会話が得意な自分」に生まれ変わり、英会話をモノにするのも目前ですね。
むさし
カテゴリ:英語発音のコツ・ヒント [コメント:0]
コメントフォーム