こんにちは、闘う海外サラリーマン むさしです。
今回は、発音されない英語の音のルールの1つである「脱落(elision)」を紹介します。
聞きなれない言葉かもしれませんが、脱落とは「同じ音や似た音が隣り合った場合に片方が消える」現象です。
キャラの被った芸人は片方しか残らない、といった世知辛いイメージも浮かびますが、どのようなルールになるのかを見ていきましょう。
目次
英語発音の「脱落」ルール
同じ発音はまとめて1つ
最初のところで、英語発音の脱落とは「同じ音や似た音が隣り合った場合に片方が消える現象」と書きました。
具体的な例を挙げると
- take care(面倒を見る:[k] が重なっている)
- eight teams(8つのチーム:[t] が重なっている)
などですね。
この場合に、[k] や [t] はまとめて1つの音にされてしまう、それが英語発音の「脱落」ルールです。
【take care】
【eight teams】
実は日本語でも起こっている「発音の脱落」
でもこれって、実は英語の専売特許ではなく日本語でもありますよね。
例えば「建築家」と発音する場合、そこまで律義に「けんちくか」と読んでないはずです。
実際には「けんちっか」という発音に近いと思います。
逆に「けんちくか」とはっきり発音すると、なんだかアナウンサーの読み方みたいに聞こえて違和感がありますよね。
英語でも基本的には同じです(例外はありますが)。
同じ音ではなく「似た音」の場合の脱落
先ほどの例では「[k] と [k]、[t] と [t]」という同じ音でしたが、これは同じ音でなく「似た音」でも起こります。
「似た音」とは発音するときの口の形が近い音、つまり
- [t] と [d]
- [k] と [g]
- [s] と [z]
- [v] と [f]
などの音。
[b] [p] [m] も一緒になることが多いです。
具体的な例としては
- leave for work(仕事に行く:[v] と [f] が一緒になる)
- speed trial(スピードトライアル:[d] と [t] が一緒になる)
などでしょうか。
実際の発音は次のようになります。
【leave for work】
【speed trial】
それぞれ、音の脱落が起こっていることが分かるはずです。
でも実は「音が消えない」パターンの脱落もあるので、そのルールを紹介していきます。
発音が「消える」場合と「くっ付く」場合
音による扱いの違い
実は最初に書いた「音が消える」というのは正確な表現ではなく、音が消えない場合もあります。
例えば最初に挙げた
eight teams
などは eight の [t] が消えてしまっています。
でも次のようなケースはどうでしょうか。
【Access speed】
この場合、[s] の音は消えるのではなく2音分の長さに伸びて発音されています。
この違いはどこから来ているのでしょうか。
[t]と[s]の音の出し方による違い
[t] は消え [s] は2音分にくっ付いて発音される。
その違いは、[t] は連続しない音(不連続音)であるのに対して [s] は連続する音(連続音)である、ということが理由です。
[t] の音は、舌を上あごに付けてから離す(+息を吐く)ことによって発音しますよね。
そして1回につき一瞬しか音が出ません。
でも [s] の音は、息が舌の表面を通ることで出る音なので、息の続く限り「スー」と出せるわけですね。
その結果、[t] はまとめて2音分の長さにしようとしてもできず、[s] は長さの調整ができるから2音分の長さに伸ばされる、ということになるわけです。
上で挙げた "leave for work" と "speed traial" の場合でも、[v] [f] は連続音ですので、音が2音分つながって発音されていることを確認できます(ちょっと息を強く吐きすぎましたが)。
以上が、英語発音の「脱落」ルールの説明です。
まとめ:発音の変化は英語発音の基本
いかがでしたか。
今回は、英語発音の基本ルールの1つである「脱落」について説明しました。
今回の脱落に限らず、英語発音の変化、消失は基本ルールとしておさえておく必要のある知識です。
今まで感覚的にやっていた部分もあるかもしれませんが、このようなルールがある、ということを知るだけでも、今まで以上にできるようになります。
それぐらい「基本を学んで知る」ということは大事なわけですね。
そのように「知ったうえで練習する」ことが、あなたの英語発音、そして英会話の上達につながっていくわけです。
このサイトが、英語発音や英会話の上達を通じて、あなたの望む未来を手に入れる助けになれば幸いです。
むさし
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