この記事を読むのに必要な時間は約 11 分です。
この記事を読んでいるあなたは、英会話力を伸ばそうと努力していることと思います。
でも、英会話の練習をしているけれども、伸びている気がしない・・・このような悩みを抱えていませんか?
そして、英語が話せるようになるのに、どれぐらいの時間がかかるのか・・・と落ち込んでいるかもしれませんね。
どれくらいの時間がかかるのか、ということは一言では答えられない問題です。
しかし『練習しても伸びない』という悩みを解消する、英会話力の急上昇を引き起こす方法は存在します。
その方法では、英会話力は時間に比例するのではなく、ある時点から加速度的に上昇していきます。
それは、これが単に知識の量を増やす方法ではなく、英会話用の脳回路が作られて英語が話せるようになる方法だからです。
それでは、さっそく紹介していきましょう。
この記事の目次
英会話力の急上昇を起こすもの
英語が体にしみ込む感覚
英語に限らず、スポーツや楽器の演奏などの実技科目に共通することですが、練習を重ねることで今までできなかったことが急にできるようになる瞬間が訪れます。
これは練習をしているうちに脳の神経回路が強化されていき、ある時点で色々な部分がつながって技術がしっかりと定着する、ということの結果です。
このことを、私は『英語が体に染み込んできた』と呼んでいます。ほかにも、『英語の神様が降りてきた』と表現する人もいますね。
そしてこの状態を引き起こすものが、英語の『蓄積』と『熟成』です。
表現を変えるならば、『蓄積したものが熟成し、自分の中で知識が結合・定着する』ということです。
英会話力急上昇のキーワード:英語の『蓄積と熟成』
英語は『実技科目』
他の記事にも書いていることですが、英会話はスポーツや楽器と同じく実技科目であり、練習を重ねることで体が動くようになる、つまり話せるようになるものです。
私はギターを少しばかり弾くのですが、初めてギターを手にした10代の頃には、弦の押さえ方や弾き方に慣れていないため、動きもぎこちなくなっていました。
特に初心者最初の難関と言われるFコード(和音の一種です)を弾こうとしたときには、指や手の力の入れ方がスムーズにいかず、毎回手がつりそうになっていました。
しかし練習を続けて何週間か経ったとき、ある時フッとFコードが押さえられていることに気が付いたのです。
「あれ?なんか簡単に押さえられてるぞ?」と思ってもう一回弾いてみたら、やっぱり簡単に押さえられる。
その瞬間、自分の中で何かが変わったのを実感しました。
英語が身体に染み込んでくるために必要なこと
実際に変わったのは脳神経のつながり方だったのでしょうが、英会話にも同じことが起こります。
そのためには
- アウトプットするための基本的な知識をインプットすること(蓄積)
- アウトプット練習によって、その知識が考えなくても出てくるぐらい定着させること(熟成)
が必要になります。
知識をインプットしないと話せるようにはならないし、かといって知識の蓄積だけで熟成がないと、その知識が身につかない。蓄積と熟成の両方が必要なのです。
イメージとしては、落ち葉が積もり、それが腐葉土になって栄養として吸収される感じでしょうか。
そのようにして知識が栄養として吸収されてはじめて、血肉となって使うことができるようになっていきます。
英会話力の急上昇を起こすための練習法
効果的な英語の蓄積の方法
『英語の蓄積=知識の蓄積』ではない
では具体的に、どのように英語を自分の中に蓄積していけばいいか。
英単語や文法という答えが返ってきそうですね。
しかしTOEICで700点以上を取っているのであれば、基本的な知識は持っているはず。
そこで私は『実際の英文を自分の中に蓄積する』ということを提案します。
自分の中に英文のストックを作っていくことによって、色々な表現に触れて吸収していくことができるようになり、英語を話すうえで大きく役立つからです。
実際に英文を蓄積するなら、このようなものを
ただし、英文を蓄積すると言っても、参考書の英文といった『切り取られた英文』はあまりお勧めできません。
逆に、話の流れのある英文、例えば小説であるとか新聞記事などのほうが、流れがあって理解しやすいのでおすすめです。
また、流れに乗って読むことで、その表現が使われている場面なども併せて記憶されていきますので、表現を吸収しやくすくなっていきます。
読む題材は自分の興味のあるものや必要であるもの(仕事が勉強に関係するもの)を選べばいいと思いますが、会話表現を身につけたいと思うなら小説がおすすめです。
私が学生時代の英語の先生は、「小説は表現のデパートだ」と言って小説を教科書に使っていました。
私も英語の小説を読むことが好きで、John Grishamなどをよく読んでいます。
英語の蓄積には、まず英文音読
英文を自分の中に蓄積させるための方法として、まずお勧めは『英文音読』です。
英文を音読することで目だけではなく口や耳からも英語が入ってきますので、黙って読むよりも効果的に英文の蓄積と脳回路の強化が進んでいきます。
その場合の注意点としては、以下の3つ。
- 話に入り込み、感情を込めて(もしくはなりきって)読む
- 読むときに辞書は使わない(話の流れから意味を想像する)
- その英文が自然に感じるまで、何度でも繰り返し音読する
話に入り込んで読むことは、英語をイメージでとらえる訓練にもなります。
このことは、英語を日本語を介さないで理解する『英語を英語のまま理解する』ことの練習に非常に役立ちますので、ぜひおすすめです。
同時に、場面をイメージしながら読むことで、場面に応じた表現を覚えていくことにもつながります。
英語を英語のまま理解する力の鍛え方については、こちらの記事で詳しく説明しています。
【参考記事】
英語の聞き取りの大事なコツ「英語を英語のまま理解する」勉強法とは?
英語を音読するとき、辞書は使わない
この時に、できるだけ辞書は使わないようにしましょう。
辞書に対する依存心を断ち切り、話の流れから意味を想像することも、英語を場面のイメージでつかむ練習になります。
もちろん、気になった単語や表現を後で調べることは構いません。
でも読んでいる最中は、辞書なしで読んでいきます。
また、一度音読しただけで終わらず、何度でも、その英文が自分にとって自然に感じられるまで音読を繰り返すことも大切です。
その繰り返しにより、表現や文の形などが丸ごと体に(=脳に)刻みこまれていき、自分の一部になっていきます。
そうして繰り返し音読した英文は、やがて血となり肉となって使いこなせるようになるのです。
英語の熟成を引き起こすには
英語の熟成とは『蓄積した知識が吸収されて定着すること』です。
知識は蓄積しただけでは定着せずに消えていってしまいますので、繰り返し使うことで定着させていく必要があります。
そのことによって英語が体に染み込んでいき、楽に英語が口から出てくる、理解できるようになっていきます。
定着させるための方法はいくつかありますが、お勧めは『口頭英作文』です。
この場合、気に入った表現を使い回すために英文を借りる、いわゆる『英借文』の練習をすることになります。
例えば、『余りにも~過ぎる』という表現、“way too ~” に出会ったとしたら、それを使って色々と周りのことを表現してみるのです。
気温が暑ければ
It’s way too hot today!
寒ければ
It’s way too cold today!
などと言ってみればいいでしょう。
では、隣の家の人がうるさい場合には?
The guy next door is way too loud! He must move to a remote island!
という感じでしょうか。
このように、仕入れた知識を使って知識を使える状態にしていくことが、効果的な英語の熟成の方法です。
まとめ
ここまでの内容を、以下に3点でまとめます。
- 英語を体にしみ込ませ、英会話力の急上昇を引き起こす方法が存在する。
- 英会話力の急上昇のキーワードは、英語の『蓄積と熟成』
- 英語の蓄積には、実際の英文を蓄積することがおすすめ。熟成には、蓄積した知識を使う練習が必要。
前の方でも書いてきましたが、英語の『蓄積と熟成』を念頭に日頃の英会話練習を行うことで、あなたは自分の中の英会話力を急上昇させることができるようになります。
そしてそのことが、英会話をモノにすることにつながっていくのです。
あなたが英会話をモノにして望む未来を手に入れることを、私は応援しています。
MUSASHI