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違いの分かるヤツ。カッコいい響きですよね。
その物や事柄を深く理解している人を指す、いわば『尊称』です。『違いを見分ける・区別することができる人』ということですから、英語で言えば
A person who can ( ) the difference (of something).
となるでしょうか。TOEICの問題みたいですが・・・。
さて今回は、この空欄に何が入るのか。それがテーマです。
日本語でも英語でも、この表現は日常生活でよく出てきますので、あなたの『英会話道具箱』に常備しておいて、いつでも使えるように練習しておくと、英会話力が大幅にアップします。
この記事の目次
『区別する』を和英辞典で引くと・・・
まず調べると最初に出てくる単語は・・・
まず、この記事を書くにあたって和英辞典で調べてみました。参照は某英語関連企業の提供しているオンライン辞書です。
そうすると、やはり出てくるのは “distinguish” ですね。おそらく『区別する』という言葉で考えると、これが一番正確なんでしょう。
使い方としては
“distinguish A and B”
や
“distinguish A from B”
という形になります。
でも、あまり会話表現としてはこなれていない表現で、堅い感じがしますね。少なくとも、日常的に会話で使われる単語ではありません。知的な感じはするかもしれませんが。
他にも “recognize” という単語も出てきましたが、これは区別するというよりも『(他のものの中から)何かを認識する・気づく』という意味になります。
私はこの単語の使い方を、次のようなドラマのセリフから覚えました。
“Hey, you’ve got a haircut! I didn’t recognize you!“
このセリフは、ある人が友人を空港に迎えに行ったが、髪を切ってたために最初は気づかなかった、というシーンのもので、『(その本人を)認識する』という使い方のよい例ですね。
危険!これは使ってはダメ!
次に目についたのが、“discriminate” です。
ちょ、ちょっと英○郎さん、これは『区別する』じゃありません。『差別する』ですよ!
これは危険な単語なので、差別についてきちんと語る場合以外には使わないほうがいいでしょう。
ちなみに『差別』という名詞は “discrimination” になります。
日常会話では、こんな簡単な単語が使われる
違いを『見分ける=指摘する』?
普段の会話の中で、『見分ける・区別する』という表現には、ほとんどの場合 “tell” を使います。
一番最初に挙げた『違いが分かるヤツ』であれば、
A person who can tell the difference.
になるわけですね。
この『見分ける』の感覚としては、『違いを指摘する』という感じに近いと思いますので、“point” に近いかもしれません。
『見分ける』の英語表現の使い方
この “tell” を『見分ける』という意味で使う場合、次のように使います。
まず、『A と B を見分ける』という場合には
“tell A and B”
になります。『A を B から』であれば、
“tell A from B”
になるでしょう。
『本物と偽物を見分けないといけない』という日本語は、英語でどうなるでしょうか。
“We have to tell the real ones and (from) the fake ones.”
という感じでしょうかね。
逆に、『あんたにゃ違いは分からんよ』と言いたければ
“Well, you can’t tell the difference.”
という英語になるでしょうが、ずいぶんと挑戦的な感じがします。人間関係を維持したいのであれば、あまりこのようなことは言わないほうがいいでしょう。
また、前の文で何と何が混ざっているのか、ということが明らかな場合、それを繰り返さないで『お互いに区別する』という言い方もできます。
例えば、『双子の友達がいるんだけど、二人を区別できないよ』というのであれば、
“I have friends who are twins, but I can’t tell them apart!“
という英語になります。この後半の文では、『彼らを区別する』という形でまとめてしまっています。
逆に『ゴッチャにする』という英語表現は?
では『見分ける・区別する』の逆として、『ゴッチャにする』という表現を考えてみましょう。
プロジェクトA の書類とプロジェクトB の書類を混ぜてしまった、とか、AさんとBさんがゴッチャになってしまった、という場合ですね。
まず、実際に何かを混ぜてしまった場合、mix や commingle という単語が使われます。特に commingle は、混ぜてはいけないものを混ぜた場合、例えば会社のお金と個人のお金をゴッチャにしてしまう、といった場合に使われることが多い単語です。
ただし、“commingle” は必ずしも悪い意味ではなく、『周りの人と混じって馴染む』という意味で “get commingled with other people” など、良い意味でも使われます。
また、認識のうえでゴッチャになってしまう場合、“mix up” という表現が会話ではよく使われます。
例えば、Aさんの話をしていたところ、途中からAさんの話とBさんの話がゴッチャになってしまった場合であれば、
“I think you are talking about Mr. B, but we are actually talking about Mr. A.”
“Oh sorry, I think I mixed up Mr. A and Mr. B.”
という会話になるでしょう。
まとめ
ここまでの内容を、下に3点でまとめます。
- 『(違いを)区別する』を辞書で引くと “distinguish” が出てくることがあるが、会話では “tell” がよく使われる。
- 『ゴッチャにする』という英語表現は、物理的に混ぜる場合には “mix” や “commingle(特に、混ぜてはいけないものの場合)” 、認識のうえで『ゴッチャになる』は “mix up” が使われる。
- “discriminate” は『区別する』ではなく『差別する』であり、危険なので使わないこと。
パッと見は単純な単語ほど、その守備範囲は広く、普段の会話でよく使われます。あなたも普段から使ってみることで、このような表現をモノにしていきましょう。
あなたが英会話をモノにし、あなたの望む未来を手に入れることを、私は応援しています。
MUSASHI