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自分で話せるようになるための英会話表現、今回は『迷っちゃうなぁ』と言いたいときの表現を紹介します。
レストランで料理をどれにするか迷う、行こうかどうしようか迷う、など、使う場面の多い表現ですので、使い回せるように練習すると英会話力の向上につながります。
この記事の目次
迷う=決められない
まず、『迷っちゃう』という表現の日本語のエッセンスを考えてみましょう。
この場合の『迷う』という言葉は、結局は何を意味するのでしょうか。
何かを決めようとするけれども迷ってしまう、ということは、『決められない』という意味ですよね。
そうではなく、道に『迷う』場合(比喩的な場合も含めて)は、
“get lost(あるいは be lost)”
という表現を使います。
少し前に、アメリカの『Lost』というドラマが話題を呼びましたね。
南洋の島に飛行機が墜落してサバイバルが始まる話ですが、この登場人物はどこだから分からない場所に迷い込んでしまった、という意味で『Lost』というタイトルになっています。
なお、人に向かって “Get lost!” というと、『迷子になれ!』ではなく『とっとと失せろ!』という意味になりますので要注意です(非常に攻撃的な表現です)。
『迷う=決められない』の英語表現
さて、迷う=決められない、と考えた場合に、どういう表現になるでしょうか。
例えば、あなたがレストランで食事をしようとしてメニューを見て迷っていると、店員さんが注文を取りに来たとしましょう。
“Ready to order?”
と言いながら立っている店員さんに、何と言いますか?
“Oh, I can’t decide.”
でも分かってはくれるでと思いますが、これだと『決断する能力がありません』と言っているように聞こえなくもないですね。
このようなときは、通常
“I have not decided yet.”
という言い方が一般的ですね。
私などは
“I need some more time.”
と言ってしまったりもしますが・・・。
もうちょっと決心が必要となる、例えば大きな投資をするような場合には、
“I have not made up my mind.”
という表現でもよいでしょう。
レストランで注文するのに “make up one’s mind” という表現は大げさな感じがしますが。
『まだ考え中』という状態を表す英語表現
上の表現は、『まだ決めていない/決心していない』という観点からの英会話表現でしたが、今度は『まだ迷っている最中』という表現を紹介します。
『迷う』を辞書で調べると “hover on” という言葉が出てきましたが、あまり会話で聞いたことはありません。
会話の中で使われるのは “debate” という単語ですね。
例えば何かのイベントに参加しようかどうしようか、まだ考えている最中、というのであれば
“I am still debating whether to attend the event or not.”
と言ったりします。
私はこの表現を色々な人から聞きますが、その度に『一人討論会かよ!』と心の中でツッコミを入れてしまっていることは、ここだけの秘密です。
なお、ちょっと思い立って “I am debating” と Google で検索したところ、次のような掲示板の書き込みが出てきました。
他の国でも『?』と思う人もいる、ということなんですね。
下のページでは、”I’m debating” と “I”m in a dilemma(2つの間で決断に迷っている)” の違いについて議論されています。
【参考記事】
Question: “I’m debating” instead of “I’m in a dilemma”?
『(複数のモノの間で)引っ張られている』という表現
両方から引っ張られる=ジレンマに陥る
今度は視点を変えて、『迷う=あちこちに引っ張られている』という表現です。
まずは、日本語でも使われる『ジレンマに陥っている』という表現、英語では上に挙げたリンクでも出てきましたが
“I am in a dilemma.”
という言い方になります。
ジレンマ、とは、2つのモノに引っ張られてどちらにも決められない状態で、先頭についている “di” がギリシャ語の『2つ』を表しています。
これが3つのモノの間で引っ張られている状態であれば、”trilemma” と “tri” がつきます。
3人組を表す “trio” の “tri” ですね。
両方から引っ張られる=切り裂かれる
もう少しカジュアルな言い方をすると、『2つのモノの間で引き裂かれている』
“I am torn apart between A and B.”
という言い方が使われます。
“torn” は “tear(破る・切り裂く)” の過去分詞、つまり受身形ですので、文字通り読むと『A と B の間で切り裂かれている』という表現になります。
細かい話ですが、”between” は『2つの間で』という表現ですので、対象が3つ以上になった場合には “among” が使われることになります。
実際には、会話では間違っててもノープロブレムですが。
この表現は以前、同僚とレストランに行ったときに使われていたのを聞いて覚えた表現で、私もレストランなどで『う~ん、AとBで迷ってるんだよね』と言いたいときによく使います。
このように空気中を飛んでいる表現を捕まえられるようになると、ネイティブの使う表現などを覚えるスピードが加速していきます。
日本に居ながらこのようなネイティブ流の表現を覚えるにはドラマや小説などが非常に効果的ですが、一方でこのような表現を知らなくてもそれほど困りません。
そういったネイティブ流の表現を知らなくても、普通に
“I have not decided yet, A or B.”
と言えばいいだけですので、あまり『ネイティブ英語表現』にこだわり過ぎる必要はありません。
それよりも、普通に英文を組み立てられる力の方が重要になりますので、スピーキングの上達には普通の口頭英作文(英語で独り言)をおすすめします。
【参考記事】
まとめ
今回は「迷っちゃう」と言いたいときの英語表現を紹介しました。
『迷っちゃう』の日本語のエッセンスは『決められない』ことで、本当に道に迷う場合には “get lost / be lost” を使います。
そのように、言いたい日本語のエッセンスから考えて作文してみるのも、英会話上達の近道です。
あなたが英会話をモノにし、あなたの望む未来を手に入れることを、私は応援しています。
むさし