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「勉強しても話せるようにならない…」「なんとか英語が話せるようになりたい」という悩みをよく聞きます。
あなたも、このようなことで悩んでいるかもしれませんね。
でも、英語が話せるようになりたいと努力をしても、なんだか英会話が上達しないで空回りをしているように感じることはありませんか?
または、自分に必要な英会話上達法が分からず、やみくもに色々な練習に手を出したりしてはいませんか?
このような先の見えない努力というものは、挫折を招きやすいもの。
そこで今回の記事では、あなたの努力が空回りしないように、「英語が話せる」を要素に分解し、攻略のポイントと優先順位を考えていきたいと思います。
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この記事の目次
「英語が話せる」を分解して個別に攻略してみよう
「英語が話せる」を分解してみた
ここで質問ですが、「英語が話せる」というのはどういう状態でしょうか。
これは2つのことから成り立っています。まずは下の図を見て下さい。(クリックで拡大します)。
非常に乱暴に言ってしまえば
- 自分の英語が相手に理解され
- 相手の英語が理解できる
という状態と言えるでしょう。当たり前と言えば当たり前ですね。
では、それぞれの要素について、さらに分解していきます。
自分の英語が相手に理解されるためには
では、自分の英語が相手に理解されるには、どうすればいいのでしょうか。
それは、さらに次の2つに分解されます。
- ルールに従って英文が組み立てられる
- 組み立てた英文を音として相手に伝えられる
表現や文法がルールに従っていない英文(いわゆるブロークンイングリッシュ)は、相手が分かろうとしてくれない限り理解されません。
また、英文としては正しくても発音が相手に伝わらないと、これまた理解してもらえないのです。
私は(自分も含めて)、このような場面を数えきれないほど見てきました。
英語が相手に伝わらないことは気まずさ、そして何よりも不利益が非常に大きいものですので、できるだけ避けたいものです。
相手の英語が理解できるためには
一方、相手の英語が理解できるためには、どのような力が必要になるでしょうか。
相手の英語を理解する力も2つの要素に分解することができます。
- 1つ目は、相手の英語の「音」を理解する力
- もう1つは、相手の英語の「意味」を理解する力
これも当然の話しですが、まずは音として聞き取れないと理解することができません。
ですが、音として聞き取ったとしても、意味が分からなければ、やはり理解したことにはなりませんね。
したがって、音と意味の両方の理解が必要になるのです。
ここまではいいでしょうか。
英語が話せるための攻略ポイントをまとめると
ここまでの内容をまとめますと、英語が話せるようになるには、次の4つのポイントを攻略する必要があります。
- 相手に通じる英文を作る力
- 相手に通じるように発音する力
- 相手の英語の「音」を理解する力
- 相手の英語の「意味」を理解する力
それぞれ言い換えれば
- 英作文力
- 発音力
- 音の理解力
- 英文理解力
になりますね。
では、それぞれの鍛え方を見ていきたいと思います。
英語が話せるようになるための「4つの略ポイント」の鍛え方
それぞれの力をどう鍛えるか
英作文力の鍛え方
英作文力に必要な2つの面
まず、英語を話すための出発点である英作文力です。
英作文力は「基本的な英語の仕組・ルールを知る」という面と、「英語の仕組・ルールを使う」という面があります。
知っているだけでなく「できる」というレベルまで練習する、ということですね。
この「できる」レベルまで鍛えるには練習量が必要です。
ですが、それは「問題集をたくさんこなしましょう」という意味ではありません。
そのように机に向かって問題集をするのではなく、日常生活で目についたこと、考えたこと、などを自分で自分に英語で言ってみる。
つまり「英語で独り言」という練習が非常に効果的です。
この方法を続けると、あなたはパッと目に映ったこと、起こったことに英語で反応できるようになるぐらい、英作文を身につけるができます。
中学レベルの基礎的な内容に不安がある場合には
実際には中学レベルの英語で充分なのですが、そのような基礎的な内容に不安がある、分かっているけど使えるようになっていない、という人も多いかもしれません。
そのような場合には、中学の教科書を引っ張り出して復習するのが効果的ですね。
また、このような基礎知識について「きちんとした説明で理解したい」という場合には、私は「Advanced Beginner」という教材をおすすめします。
この教材は、最近はやりの「英文法不要!英会話フレーズを真似るだけ!」という教材の正反対の内容になっています。
本当に必要な基礎事項をしっかり固め、それを使いこなす方法を動画で説明してくれる講座で、「自分で英文を作り出せる力」へのこだわりが見られる教材です。
良い点・注意点を含めた詳しいレビューはこちらからどうぞ。
クリックして【Advanced Beginner】の詳しいレビューを読む
英語の発音力
発音力の本当に効果的な身につけ方は1つだけ
英語の発音の鍛え方としては「発音練習をしましょう」の一言で終わってしまうのですが、そんなものはアドバイスでもなんでもないですよね。
もう少しまじめに発音練習の方法を考えてみると、実際には色々な方法が考えられます。
英語の音声を真似してみる、シャドーイングで発音を練習する、などの方法が言われていますが、効果的な方法は1つしかありません。
それは、基本からきちんと学ぶこと。
はっきり言って、見よう見まねでの発音練習は絶対にやめるべきです。
「とにかく聞いて真似ましょう」は有害な練習方法
英語の発音は、練習する以前に正しい方法や理屈を知る必要があります。正しい方法を知らないと、練習もできません。
それは、目の前の手品を手探りで真似しようとするようなもの。
やり方が分からないと練習のしようもないことは、すぐに分かりますよね。
そして、やり方を探しているうちに人生が終わってしまいます。
これは非常に大きな時間の無駄遣いであり、見よう見まねでの挑戦では間違った発音が身についてしまう危険性もあります。
そのような「ネイティブの発音を聞いて真似しましょう」的なアドバイス(と呼べるか分かりませんが)は、あなたにとっては害でしかありません。
「発音練習は難しい」は誤解
英語の発音に関する誤解として、「発音練習は難しい」というものがあります。
しかしこれは正しくありません。
実際には、きちんと基本から学んで練習すれば、2~3カ月、長くて半年程度で通じる英語発音は身についてきます。
難しく感じるのは、上で書いたように「きちんと学ばずに見よう見まねで練習」しているから。
今のあなたには一見無理なように見えても、英語の発音の理屈を知ってしまえば驚くぐらい単純でもあるのです(それなりの練習は必要ですが)。
私はアメリカで英会話と苦闘していたとき、プロの発音矯正トレーナーから体系的に英語発音を学び、「なんだ、こんなことだったんだ」と気が楽になったことを今でも覚えています。
英語の音の理解力
大人のリスニング強化は子供とは違う
では、リスニングの能力に移ります。
まずは、英語の「音的な理解」。
英語の聞き取りの第一歩は音の理解ですが、この鍛え方にも大きな誤解があります。
それは、「リスニングを鍛えるには、とにかく聞きましょう」というもの。
しかし私の経験から言うならば、このような意見は間違いですね。
誤解のないように正確に言いますと、聞く練習はリスニングに必要ですが、それだけでは鍛えられません。
英語の音を聞き取る、とは、あなたの脳の中に英語の音を処理する脳回路を作り上げていくこと。
脳が発達段階にある小さな子供であれば、聞いているうちに英語の音を覚えていきますが、脳が成長している大人には無理な方法なんですね。
大人は、自分で努力して脳回路を作り上げていく必要があるわけです。
大人が英語のリスニングを鍛える最も効果的な方法
その最も効果的な方法は、相手と同じことができるようになること、つまり発音練習です。
英語の発音がよくなると、英語の音声が前よりもはっきり聞こえるようになります。
私もかつて、英語のリスニングを鍛えようとして英語を一生懸命聞いていましたが、それでも上達を感じられませんでした。
しかし、上で書いたように発音矯正のトレーニングを受けてから、以前よりも音の違いや連結を聞き取ることができ、英語のリズムに乗って聞き取ることもできるようになりました。
ですので、英語の発音練習は話すためだけではなく、聞き取りを向上させるためにも非常に効果的で重要である、ということを強調したいと思います。
【参考記事】
英語リスニング究極のコツと上達法-2つの聞き取れない原因を断つ!
英語の意味の理解力
最後は英語の意味の理解力です。
聞いた英語がパッと分かる、ということですね。
この力も聞くだけでは鍛えられません。
英語の意味の理解力を上げるには、英文読解が効果的。
読んでも分からないものは、聞いても分かりません。
英語を聞いてパッと分かるためには、英文読解のなかでも「英語を英語のまま理解する」という力を鍛える必要があります。
どんどんと流れてくる英語を処理するには、日本語に訳して考えている時間はありませんよね。
それを処理するためには、英語を英語のまま理解する脳回路を作り上げていくことが必要になるわけです。
しかし、一言で英語を英語のまま理解するといても、英語を英語の順番で理解する、英語をイメージで理解する、など色々な側面があり、それぞれに効果的な鍛え方があります。
詳しい鍛え方はこちらの記事で説明していますので、参考にしてみて下さい。
【参考記事】
英語が話せるようになるための攻略ポイントの優先順位
英語を話す・聞くために共通して必要な力とは
以上、英語が話せるようになるための4つ(実質は3つ)のポイントを紹介しました。それは
- 英作文力
- 英語発音力
- 英文読解力
でしたね。
全部を並行して練習できれば理想的ですが、それも無理な話かもしれません。
そのようなとき、どれから手を付けていけばいいのでしょうか。
基本的には自分に不足している能力に取り組めばいいと思いますが、話すのも聞くのも苦手、うーんジレンマ、という場合には困ってしまいますね。
では、このように考えてみましょう。
話すためには、英作文力+発音力。
聞くためには、発音力+英文読解力。
何か共通していませんか?
そう、発音力は話すためにも聞くためにも共通して必要な力なんですね。
ですので、ある程度基礎が固まっている場合には、まず発音力から鍛えることが「話す」「聞く」の両方を同時に攻略できる効果的な上達方法なのです。
私の実体験から言っても、英語の発音を身につけると英語を話す、聞くの両方が楽になってきます。
これは、本当に、本当に、本当におすすめの練習方法です。
【参考記事】
ただし、基礎が固まっていない人は、発音力だけでなく「中学レベルの英語の理解と定着」も必要ですので、その点ご注意を。
英語発音から絶望的に遠い日本人が効果的に練習するには
ただ、日本語は発音が単純なため、英語の発音から絶望的に遠いのも事実。
そのような日本人が効果的に発音を身につけるためには、本やウェブサイトなどの「図や写真」はなく、映像を使って分かりやすく教えてくれる教材が必要です。
そのような教材は色々とありますが、私はその中でも「ネイティブスピーク」をおすすめします。
この教材は、日本人に特化した発音方法を25年も指導してきたアメリカ人発音トレーナーが監修しており、CG映像を使うなど分かりやすく説明しているのが特徴です。
良い点・注意点を含めた詳しいレビューはこちら。
英会話学校の効果的な使い方
ここまでは、あなたが自分ひとりでできる練習を紹介してきました。
しかし、ある程度力がついてきた、あるいは、きちんとできているか不安になった場合には、英会話学校で力を試したり、自分の練習をチェックしてもらうのも良い利用方法でしょう。
基本的に、英会話学校というのは英会話を習う場所ではなく、日頃の練習の成果を試してチェックするための場所です。
いわば、練習試合の機会、ということですね。
したがって、自分で練習を積み重ねているのであれば、そのチェックのために効果的に使うことができます。
ただし、英会話学校の時間だけ練習、というのはダメですね。
典型的な「英語が話せない人」のパターンにはまり込んでしまいます。
きちんと日頃から練習を積み重ねることが大切です。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、「英語が話せる」を分解して、必要な力をどのように鍛えていくかを説明しました。
小さな要素に分解してみると、それぞれは取っつきやすくなります。
そして、日頃の練習に組み込むことができるわけですね。
日頃から練習をしているのであれば、そのチェックや力試しのために英会話学校を利用することも良い練習方法になりますが、あくまで日頃の練習が主体です。
ぜひここで紹介した分析を参考にして、英語が話せる自分を手に入れてほしいと思います。
むさし