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※この記事は、姉妹ブログ「英会話教材バスターズ」からの転載です(元記事「英語の聞き取りの大事なコツ「英語を英語のまま理解する」2つの方法とは?」)。
英語を聞き取ろうとして聞き取れないこと、ありますよね。
聞き取れなくて「え?え?」と頭が真っ白になる感覚、私もイヤというほど経験があります。
こんなとき、「音が分からない」のか「言われた英語の意味が分からない」のか、実はそれによって必要な力や鍛え方は違ってくるんですね。
英語が聞き取れない場合には「音が分からない」という場合と「英語の意味が分からない」という場合がありますが、
ここでは「言われた英語をパッと理解する」、つまり「英語を英語のまま理解する」力について考えていきたいと思います。
英語を英語のまま理解、というと「スラッシュリーディング」などが思い浮かぶと思いますが、もっと根本的に鍛えていく方法がありますので、そちらを紹介します。
でもその前に、全体像として「英語のまま理解」の2つの側面を見ていくことにしましょう。
この記事の目次
英語を英語のまま理解、には2つの面が
英語をパッと理解する、いわゆる「英語を英語のまま理解する」力は、英会話には必須です。
「え~と、これが主語で、これが動詞で、それから…」と頭の中で考えている時間はないので、言われた順に理解していく必要がありますよね。
私の見てきた例(自分も含めてですが)でも、このように考え込んでしまって固まる、というパターンは非常に多いです。
ですが、一言で「英語のまま理解する」と言っても、実は2種類の「英語のまま」からできているんですね。
1つ目は、英語を「英語の語順のまま」理解する、ということ。頭から順に、ということですね。
もう1つは、英語を「日本語に訳さず」理解する、ということ。こちらは、英語をイメージでとらえる、ということになります。
英語の語順のまま理解できるようになると、頭で文の構造を考える必要がなくなります。
そして日本語に訳さずに理解できると、単語の意味を頭で考える必要がなくなるわけですね。
この2つが揃うと「英語を英語のまま理解できる」という状態になるわけです。
「そんなの無理だよ…」と思いましたか?
大丈夫。日々の練習は必要ですが、きちんと鍛え方がありますので、そちらを紹介していきたいと思います。
英語を英語のまま理解する力の鍛え方
先ほど書いたように「英語を英語のまま理解する」ことには2つの面がありますので、それぞれについて練習方法を見ていきます。
英語の語順のまま理解する練習方法
スラッシュリーディングよりも効果的な方法とは
まずは英語を「英語の語順で」理解する方法。
あなたも、これに苦手意識があるかもしれませんね。
その苦手意識を克服するには「英語の語順感覚」を身につける、もっと言えば自分の中に「染み込ませる」必要があります。
英語の語順で理解する、という場合によく出てくるのが「スラッシュリーディング」。
英語を「チャンク」という小さなかたまりに区切って読んでいく方法ですね。
「チャンク」に注目するのは正しく合理的な方法ではあるんですが、実は語順感覚を自分に染み込ませるには、もっと効果的な方法があります。
それは「自分でチャンクを組み立てる」、つまり英作文です。
英作文で英語の語順感覚を染み込ませる
これは英会話全般に言えることですが、聞く力は話す力の裏返しです。
実は読むだけ、聞くだけ、では、聞いたり理解する力は「なんとなく」レベルでしか伸びていかず、書いたり話す力を伸ばすことで、聞く力を大きく伸ばすことができるんですね。
「急がば回れ(Make haste slowly)」というやつですかね。
そこで、自分で英語の語順に沿って英文を組み立てる練習をして「語順感覚」を身につけていくわけですが、ここで大切なコツがあります。
それは「情報を小出しにして加えていく」ということ。
「?」という顔をしているようですから補足しますと、英語は日本語とは違い「大事なものが先、説明が後」という語順で文を作る、ということなんですね。
では「大事なもの」とは?
それは「誰がどうした」という「主語・述語」の部分です。
あなたも、説明が下手な人の話を聞いていて「だから、いったい誰がどうしたのさ?」とイライラしたりすることありますよね?
そのように「誰がどうした」は文の一番大事な部分なわけで、英語はそれが最初に来て、そのあとに「何を」とか「どうやって」という「説明」が来るわけです。
英語の語順に従った英作文の例
話ばっかりでは分かりにくいでしょうから、ここで例を挙げてみたいと思います。
次の日本語を英語に直してみましょう。
「私は昨日、3年前にアメリカに引っ越した友人に会うため、公園に行った。」
どうでしょう、パッとできそうですか?
これを英語にしようとして「う~ん」と考えてしまってどこから手を付けていいか分からない、という場合には、上の考え方に沿って練習してみるとスムーズにいきます。
まず大事な部分、「誰がどうした」のかといえば、「私は行った」わけですよね。
でも「行った」だけだと「どこに?」となりますから、次は「公園に」とくるわけです。
同じように
- いつ?「昨日」
- 何のために「会うために」
- 誰に?「友人に」
- どんな?「引っ越した」
- どこに?「アメリカに」
- いつ引っ越した?「3年前」
という感じで、小出し小出しで説明を追加していくわけですね。
なんか反抗期の子供の受け答えみたいですが、この流れをそのまま英語にしていけば
I went / to the park / yesterday / to see / a friend / who had moved / to the US / 3 years ago.
となって一丁あがりです。
なお、「引っ越した」が「moved」ではなく「had moved」になっているのは、文全体は昨日の話をしてるけど、引っ越したのはそれよりも前の出来事(いわゆる「大過去」)であることを示すための形です。
現実の会話で上のように「公園に」「会うために」「友人に」とか情報を小出しにされたら、イライラして発狂しそうですが、実はこれが英語の語順に従ってパッと英文を作るコツなんですね。
と同時に、これが「英語的な感覚」でもあるわけです。
このように「補足説明」が後ろに付いていくのは、英語を含むヨーロッパの言語に共通して見られる特徴。
このような練習をしていくうちに、この語順が感覚に染み込んでいって組み立てるスピードが速くなり、同時に英語を英語の語順で理解する力も上がってきます。
英語を和訳せずに理解する練習方法
続いては「英語を和訳せずに」理解する、つまり「イメージで理解」する方法。
「dog」と聞いたら「犬」という日本語が出てくるのではなく、犬の映像が頭に浮かぶ、という状態にするわけですね。
そのことによって「日本語に訳す」というプロセスをすっ飛ばせるわけで、ダイレクトに英語が理解できるようになっていくわけです。
これには想像力を駆使して英語を読む、という練習が効果的ですが、私の経験から言えば次の2つのポイントがあります。
それは
- 話の流れ、ストーリーのあるものを音読すること
- 読むときに辞書を使わないこと
まず、想像力を使って英語を読むには、参考書などに使われている「ブツ切り」の英文ではダメ。
話の流れがあり、その中に入り込んで読むことで、情景が頭に浮かんで英語表現をイメージでとらえることができるわけです。
登場人物に感情移入してなりきって読めれば、よりグッドですね。
そしてもう1つ大切なことは「辞書を使わないこと」。
これは、辞書に対する依存心を断ち切り、自分の想像力を磨くための練習でもあります。
だって、会話の最中に辞書を引いたりできないですよね。
ちょっと分かりにくい単語や表現でも、前後の流れや語感から想像する、というのも大切なトレーニングになるわけです。
もちろん、読むときに分からない単語や知らない表現に印をつけて後で調べる、というのはOKです、というか、むしろおすすめですね。
あくまでも、読んでいる最中は自分の知識と想像力を頼りに、話の流れに入り込んで読む、ということが大切ということです。
と、ここまで「語順感覚」「和訳しないで理解」という2点の鍛え方を紹介していきましたが、最後に「もっと根本的に大切なこと」を述べておきたいと思います。
英語の感覚をつかむのに絶対欠かせないこと
ここまでで説明してきた練習方法よりも根本的に大切なこととは、「普段から実際に声に出して練習する」ということ。
このことは、今回の内容に限らず英会話全般に言えることです。
もっと言うならば「英語が感覚レベルに染み込むまで声に出す」ことを、私は強く主張したいです。
結局、英会話というのは実技科目ですから、知識として知っているだけじゃダメなんですよね。それが感覚レベルに染み込んでいかないと、使えるようにはなりません。
そのためには、知識と音を結び付ける「発音練習」と、「普段から英語を口にする練習量」が必要になるわけです。
正直に言って練習量は絶対に必要で、週に1~2回オンライン英会話をやる、といったレベルでは全然足りないんですね。
それはちょうど、楽器を習っているのに「週1回、教室のレッスンのときだけ練習」というのと同じで、全然上達しないパターンにはまってしまいます。
スポーツでも、練習試合や本番に出る前に基本技術の練習をしますよね。
それと同じで、まずは自分ひとりで口に出す練習を積み重ねることが、英会話習得のスタート地点になります。
今回紹介した練習も、そのようにして「毎日、実際に声に出して」練習していってほしいな、と思います。
そんなとき、きちんとした英会話教材はあなたの練習をしっかりとサポートする力となります。
「でも失敗したくない…」「何をどんな基準で選べばいいのか分からない…」というあなたのために、
「初心者も安心!失敗しないための英会話教材の選び方&おすすめランキング」という記事も姉妹ブログの中で紹介していますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。