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~英語リスニングに悩む美紀さんの嘆き~
登場人物:美紀さん(英会話を身につけて活躍したい野望系女子)
[speech_bubble type=”drop” subtype=”R1″ icon=”Woman-540.jpg” name=”美紀”]ねぇ、むさし
英語のリスニングって難しいよね…[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”drop” subtype=”L1″ name=”むさし” icon=”Self_image_3.png”]うん、確かに難しいね。
僕も、ものすごく苦労したよ。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”drop” subtype=”R1″ icon=”Woman-540.jpg” name=”美紀”]だから最近、リスニングを鍛えようと思って色々な英語を聞いてるんだけど…[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”drop” subtype=”L1″ name=”むさし” icon=”Self_image_3.png”]
聞いてるんだけど?[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”drop” subtype=”R1″ icon=”Woman-540.jpg” name=”美紀”]…なんか上達している気がしないの。
書いてあったら分かる英語でも全然違うものに聞こえたり、そもそも英語の音声がすっごく早く聞こえるの。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”drop” subtype=”L1″ name=”むさし” icon=”Self_image_3.png”]なるほど、僕にも痛いぐらい分かる悩みだね。
実は同じことで散々悩んだことがあるんだけど、「聞いてるだけでは英語のリスニング上達はむずかしい」というのが実際のところなんだよね。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”drop” subtype=”R1″ icon=”Woman-540.jpg” name=”美紀”]えぇぇ、そんなわけないでしょ。
じゃあ、どうやったら英語の聞き取りが上達するわけ!?[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”drop” subtype=”L1″ name=”むさし” icon=”Self_image_3.png”]まぁまぁ、落ち着いて。
日本人に英語の聞き取りが難しいのには2つの理由、というか「英語の聞き取りの2つの側面」があって、それぞれに対応する力をつける必要があるんだ。
実は大人の場合には、小さい子供と違って自然に脳が覚えてくれるようになっていないので、練習によって2つの理由を乗り越えないといけないんだよね。
その2つの原因については後で話すけど、これらを超えるために必要なのが
- 発音練習
- 英文読解
の2つ。
そしてこれは、英語が聞き取れるようになる近道でもあるんだ。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”drop” subtype=”R1″ icon=”Woman-540.jpg” name=”美紀”]そうなんだ…。[/speech_bubble]
[speech_bubble type=”drop” subtype=”L1″ name=”むさし” icon=”Self_image_3.png”]でもまだ「なんで?」って顔をしているから、「なぜこの2つが聞き取りに必要、かつ近道なのか」を見ていくことにしようか。[/speech_bubble]
この記事の目次
あなたが英語が聞き取れない本当の理由
あなたのリスニングが上達しない2つの原因
日本人には難しい、英語のリスニング。
出だしでも書いたように、あなたが英語が聞き取れないことには、2つの原因があります。
それは
- 音として理解できない
- 意味として理解できない
ということ。
これだけだと「ナンノコッチャ!?」かもしれませんから、それが何を意味するのか、これから説明していきたいと思います。
「英語を聞き取る」には2つの側面がある
一言で英語を聞き取る、と言っても、実は2つの要素から成り立っています。
1つは「音として理解する」ということ。
音を聞き取る、聞き分けるということですね。
ただし、音を聞き取れたとしても、言葉として理解できないと聞き取ったことにはなりませんよね。
そこで、英語の音を聞き取った後に「意味として理解する」ことが必要になります。
このように、英語のリスニングは「音の理解」と「意味の理解」のどちらが欠けても成り立たないのです。
考えてみれば当たり前の話ですので、ここまでは問題無いかと思います。
英語のリスニング力の強化には2種類の練習が必要
このような「音の理解」「意味の理解」は、それぞれを個別に強化する練習が必要です。
つまり、2種類の練習が必要になるわけですね。
そしてあなたのリスニングが上達しないのは、これらの原因に効果的な練習をしていないからです。
例えば、英語の音に慣れるのであれば、まず「どのような音があるのか知る」必要があります(ちなみに、英語には母音の発音だけで15種類、子音は24種類の音があります)。
英語の音の種類や発音ルールを知らないで聞いていても、しっかりと音を区別できないし、練習にもなりません。
また、英語の理解力についても同じことで、こちらはリスニングとは別に「英語の理解力を上げる」ことが必要になります。
音は聞き取れたとしても、知らない表現だらけだったり、聴いているうちに「え~と」と考え込んでしまうとしたら、やはり聞き取れないのと同じになってしまいますよね。
つまり、英語の聞き取り力の上達には、リスニングの実践だけでなく「基礎練習」が必要になるわけです。
英語のリスニングにも「基礎トレーニング」が必要
サッカーやバスケットボールなどのスポーツでも、試合形式の練習だけでなく基本技術だけを練習することが必要ですよね。
英会話もスポーツも実技科目ですから、基礎練習が必要であることは同じです。
それをしないと、なかなか英語のリスニングは上達しません。
ではその基礎練習とは?
その方法をこれから見ていきましょう。
英語を聞き取る力の効果的な鍛え方
英語の「音的な理解」の鍛え方
脳の中の「英語の音を処理する回路」
まずは「音的な理解」の基礎練習から。
結論から言うと、英語の音を聞き取る、聞き分けるためには、脳の中に「英語の音を処理する脳回路」が必要です。
この回路無しには、英語の音をいくら聞いても聞き分けられませんし、聞き取れるようにはなりません。
別の言い方をすれば、英語の音的な理解を鍛えるということは、この「英語の音を処理する脳回路」を作り上げていく、ということと同じなんですね。
実は、英語の音を処理する脳回路を作る確実な方法があるんですね。
確実、効率的に「英語の音を処理する脳回路」を作るには?
英語の音を処理する脳回路を作る最も確実、かつ効率的な方法。
それが、最初に言った「発音練習」です。
発音練習はスピーキング力だけでなく英語のリスニング力の向上にも大きな効果があるんですね(その効果については私も実体験済みです)。
発音練習をする、ということは、英語の音の種類を知っているだけではなく、知ったうえで練習して「知っている」を「できる」レベルにしていくということ。
そのことを通じて、英語の音を処理する回路が着実に作られていくわけです。
ですので、もしあなたが「英語を聞いても全然聞き取れない」ということで悩んでいるのであれば、まずは発音練習から取り組んでみることを、強く強くおすすめします。
【参考記事】
音が聞ければ発音できる?
世の中では「音が聞き取れるようになれば発音できる」という意見も見られますが、私は逆だと考えています。
実際には「発音できるようになると聞き取れるようになる」というのが正解です。
最初に書いたように、大人の脳は子供のように英語の音などを自然に吸収していってくれません。
ですので、「聞く」という受け身ではどうしても限界があるんですね。
そうではなく、「自分から発音を練習する」という積極的な行動こそが、あなたの脳回路を作っていってくれるわけです。
ただし、ここで言う「発音練習」とは「ネイティブの発音を聞いてマネしてみる」というレベルのものではなく、きちんと発音そのもの(音の種類やイントネーションなど)を学んだうえで練習する、というレベルのものを指します。
リスニングと同じく、発音も「なんとなく練習」ではきちんと身につかず、結局聞き取りも上達しない、という結果になってしまいますので、その点はご注意を。
きちんと学んだうえで練習すれば、完璧ではなくても3カ月ほどで英語の発音は身についていきますし、リスニングの上達も確実に感じることができます。
英語の「意味的な理解」の鍛え方
次に、英語の「意味的な理解」の鍛え方について考えていきましょう。
ここでは、「英語を英語のまま理解する力」が重要となってきます。
「英語を英語のまま理解する力」とは?
この「英語を英語のまま理解する」とは、「英語が頭にスッと入ってきて、分析しなくても自然と頭にイメージが沸く」ということです。
ちょっと曖昧な感じがするかもしれませんが、これはまた2つの要素に分解することができます。
- 1つ目は、英語を英語の語順で理解する、ということ
- もう1つは、英語の表現を日本語を通さないで理解する、ということ
1つ目の「英語を英語の語順で理解する」ということは、言ってみれば英語の文法を使って「誰が・どうした」という最も重要な部分、つまり英文の骨組みをパッとつかむことですね。
これには、文法が考えなくても分かるように感覚レベルに刻み込むことが効果的ですが、私個人の経験からすると、英文法の問題集と並行して英語の長文(話の流れがあるもの)を音読する、というのが効果的でした。
そのようにして3カ月ぐらい練習すると、学んだ英文法が感覚的に理解できてきて、ある瞬間に「英語が英語のまま」スッと頭に入ってくるようになります。
英語に限らず学んだことはすぐには体に染み込みませんから、3カ月ぐらい音読して体に染み込ませていくことが必要になるんですね。
2つ目の「英語表現を日本語を通さないで理解する」とは、つまり「英語をイメージで理解・記憶する」ということ。
例えば “dog” という単語が出てきたとき、頭の中に「犬」という日本語ではなく犬の絵がパッと出てくる、という状態ですね。
「英語を英語のまま理解する力」を効果的に鍛えるには?
英語を英語のまま理解する力については、先ほども紹介しましたが、基本的には意味をしっかり理解しながらの音読が効果的。
特に、ネイティブがネイティブ向けに書いた小説や雑誌などを音読することで、その効果を高めることができます。
英語を英語のまま理解する力の鍛え方は、こちらの記事でさらに詳しく説明していますので、参考にしてみて下さい。
こちらでは、私独自のトレーニング法も紹介しています。
【参考記事】
英語の聞き取りの大事なコツ「英語を英語のまま理解する」勉強法とは?
まとめ
今回は確実にリスニングを上達させる方法について説明しました。
繰り返しになりますが、英語のリスニングには「音的な理解」と「意味的な理解」が必要で、これらの力は英語の音声を聞いているだけでは鍛えられません。
それぞれ合った鍛え方がありますので、どちらが原因なのか分かれば対処することができます。
このように原因に照準を当てて克服していけば、あなたのリスニング能力は確実に向上します。
そして、英会話をモノにして自分の望む人生へと一歩近づいていくわけですね。