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英語は世界の共通語、と言われて久しいですが、これだけ多くの人に話されていると、人の数だけ英語がある、と言ってもおかしくはない状態ですね。
特に、英語を母国語とする人よりも、英語を他国の人との「共通語」として使う人の方が多いのが今の世界ですから、それぞれの母国語の影響を受けた英語が話されています。
今回紹介するのは、シンガポールの公用語(の一つ)とされている英語が、現地ではどのように話されているのか、というのをユーモラスに紹介した動画です。
もしシンガポール英語未体験なら、目が点になってしまうはず。
この記事の目次
シンガポール英語ってどんな感じ?
シンガポール限定「Simi」搭載iPhone発売!
まずはこちらの動画を見てもらいましょう。
これは、シンガポールから配信されている “Mr. Brown Show” というポッドキャストのある回を、視聴者が字幕を付けてYoutubeにアップロードしたものです。
この中では、「シンガポール限定のiPhoneに、シンガポール訛りの音声アシスタント『Simi』が搭載されていたら」という設定で、ユーザーとSimiの会話が繰り広げられています。
シンガポール英語って○○みたいに聞こえる
これを聞いて、あなたは「これって英語?」と思ったはずです。
ええ、私も最初そう思いました。
というか、これってまるっきり「中国語」ですよね。
これがシンガポール英語「シングリッシュ(Singlish)」です。
シンガポールに旅行や出張した人は分かると思いますが、街のレストラン(ホーカー)などで食べようとすると、店のおっちゃんやおばちゃんがこういう話し方をするので
「いや、中国が話せないんだけど」
とか言ってしまって、あとで
「あれ英語だったんだよ」
と教えられる、ということはよくあることです。
シンガポール英語を分析してみると・・・
シンガポール英語は英語とは別言語?
このシンガポール英語、通称「シングリッシュ」と呼ばれるものは、「シンガポール訛りの英語」とは違います。
全く別の、新しい言語、と言う人もいるぐらいに違います。
それに対して「シンガポール訛りの英語」とは、内容的に正しい英語ですが、シンガポール特有の発音やイントネーション・リズムで話される、というものです。
シングリッシュは、イギリスやアメリカの英語には無い文法、他の言語(福建語、潮州語、広東語、タミール語、マレー語)からの借り物、など、英語と現地語のごちゃまぜ、いわゆる「クリオール言語」です。
特に文法については、中国語の文を英単語で置き換えただけ、みたいなことがあります。
日本人が、「私は学校に行く」と言おうとして
「アイ・スクール・ゴー(I school go)」
と言う、みたいな感じですね。
このごちゃ混ぜ感がシンガポールの「他民族・多言語国家」としての歴史であり、シングリッシュを独自の文化として誇りにしている人もいます。
シンガポール英語の訛りは?
それに加えて、シンガポール英語にも特有の訛りがあります。
この訛り、というか、訛りというものは「特有の話し方」なのですが、音とイントネーション・リズムの2つから成り立っています。
そしてそれは、普段話している言語の音とイントネーション・リズムが他の言語に持ち込まれることで起こるわけですね。
シンガポール英語の中国語の影響しかり、私達の日本語訛りの英語しかり。
シンガポール英語の場合には、中国語やマレー語の影響から(日本人の英語と同じく)1音1拍に近いリズムで話されます。
そして、やはりイントネーションも英語と違うところを強く読んでいて、全体として単語を尻上がりで発音している感じがします。
上の動画の最初の方でも
dinner (ディナー)
の発音が
dinner(ディナー)
になったりしています(動画の50秒のところ)。
それにしてもSimiはウザい
関係ないですが、この動画を見て思ったのは「こんなiPhoneあったらやだな」ということですね。
最初のところなんか
ユーザー:Simi, read me my messages(Simi、私にメッセージ読んでくれ)
Simi:Har?(ハァ?)
とか言われちゃうわけです。
私だったら、その瞬間にiPhone破壊しそうになる自信がありますね。
最終的に
ユーザー:Got SMS anot!(SMS あるのないの!?)
とシングリッシュで言うと、初めて理解して
Simi:Say so lah~.(なんだ、そう言えよ~)
とか悪びれずに言ってくるわけですが、ムカつきますよね。
その他にも
ユーザー:What is the weather now in Singapore?
(今のシンガポールの天気は?)
に対して
Simi:Hot lah. If not hot then raining lah. Your house no window cannot see outside ar?
(暑いに決まってんだろ。暑くなかったら雨だ。あんたんちは窓が無くて外見えないのか?)
とか、いちいちカンに触る言い方してくるんです。
極めつけはコレ。
ユーザー:What is the price of a resale 5-bed flat in Bishan now?(Bishanの中古5LDKマンションの値段は?)
って聞いたら、こんな答えですよ。
Simi:No need to check lah. You can’t afford one!(どうせ買えないんだから、チェックする必要ないだろ)
リアルでこんなこと言われたら、血圧が300まで行きそうですね。
もちろん、これはコメディなので、実際のシンガポール人がこんな失礼な物言いをするということでは、全然ありません。
そこのところは誤解なきよう。
むさし