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むさしです。
英語の音読は、最近ではすっかり市民権を得ているようですね。
でも一方で「英語の音読は効果が無い」という意見も目にすることがあります。
私は、大学受験の勉強中に音読の効果を発見して以来の絶対音読主義者です。
ですから、「英語の音読を続けたら英会話は上達するか?」という問いに対しては、「YES, you can!」と答えたくなるのが人情なのですが、そう単純な話ではないんですね。
なぜ単純に “YES” と言えないのか、どうすれば “YES” に結び付けられるのか、今回はその点を考えてみたいと思います。
この記事の目次
英語音読の効果と限界
英会話上達に効果があるかは、自分の状態による
音読という練習は、読んで字のごとく「音に出して読む」ということ。
普段から英語を口に出す練習のうち、書いてあるものを読む練習です。
したがって、後で書いてあるように音読を通じてインプットをするという練習もありますが、基本的にはアウトプットの練習ですね。
私の考えでは、音読の効果は2つあり
- 英会話のための体を作る
- 学んだ知識を感覚レベルまで刻み込む
ということが挙げられます。
まずは英語を話すための筋肉と、その筋肉を動かすための神経を発達させる。
そして、英文の意味を理解しながら読むことで、学んだ知識が実際の英文でどう使われているのかを、体を通じて確認することができる。
この2つ効果によって、英語で話すことの基礎を固めることができるわけです。
しかし、基礎的な知識がない場合には、英文を読んでも意味が理解できず、また学んだ知識を確認しようにも、知識が乏しい状態になります。
したがって、そのような場合には英文の音読をしてもあまり効果は見られず、むしろ基礎知識をつけることに専念するほうが先決です。
この点が、「英語の音読をしても英会話が上達しない理由」の1つ目ですね。
それでは、基礎的な単語や文法知識がある場合には、音読を繰り返すことによって英会話を上達させることができるのでしょうか。
それでも上達しない場合がある、というのが2番目の理由となります。
音読だけでは英会話にはならない?
結論から言うと、音読だけでは英会話にはなりません。
なぜならば、英語の音読は「書かれたものを読む」練習だからです。
実際の英会話では、スピーチなどでない限り、書かれた台本を読んでいるわけではありませんよね。
ですので、英語の音読が入口の基礎固めに非常に効果があるとは言っても、それだけでは限界があり、自分で英文を作り出せるようにならないといけないわけです。
これが「音読をしても英会話が上達しない理由」の2つ目です。
音読だけをやるのではなく、音読がある程度できるようになったら英文を作っていく練習に移っていく必要があるわけですね。
この点についての具体的な方法については、後で触れていきます。
英語の音読は英会話練習の1つのツール
このように、英語の音読は英会話の万能薬ではなく、むしろ上達のステージに応じた英会話練習のツールの1つに過ぎません。
英語が話せて聞き取れるようになるには、色々な能力が必要となり、それぞれに効果的な練習があります。
音読だけやればいい、というわけではないんですね。
【参考記事】
とは言うものの、音読は「勉強しても英語が話せない!」と悩む場合にまず取り組むべき練習だと私は考えています。
ですので、常に練習メニューに入れておくことがおすすめです。
英語の音読を英会話上達に活かす
「英語音読」から「英会話」への移行
さて上のように、音読は絶対必要だが音読だけでは英語は話せるようにならない、と書きましたが、具体的にはどのようにすればよいのでしょうか。
これには2つの面からの攻略法がありますが、まず考えるべきことは「英語音読から英会話への移行」です。
つまり、書いてあるものを読む状態から、自分で英文を生み出せる状態へ、ということですね。
音読によって体に刻み込んだ知識を、今度は引き出して使う、英作文をするのです。
この段階では、まだ人を相手にした対人練習ではなく、自分一人で「日本語⇒英語」の練習をしてきます。
私はこれを「英会話のシャドーボクシング」と呼んでいます。
これは、自分で英文を作るしかありません。
音読も量がモノを言いますが、英作文も量がモノを言います。
繰り返すことで、速く正確に自分の言いたいことが英語にできるようになっていくわけです。
繰り返しになりますが、この練習には相手は必ずしも必要ありません。
特に、自分から英語で発信する練習ができていない状態であれば、英会話学校などの対人練習は役に立たず、自信を失うなどの悪影響も考えられます。
英会話学校へ行く段階になる前に、自分で口頭英作文を積み重ねるなどの練習をすることが先決ですね。
アウトプットだけではなく、インプットも兼ねた音読をする
今度は音読の発展形として、インプットも兼ねた音読を紹介したいと思います。
さきほど「音読は基本的にアウトプット練習」と書きました。
それは基礎の固まっていない状態では知識を吸収するための土台が弱く、音読の素材から様々な知識を吸収することが難しいからです。
しかし音読を繰り返して基礎固めをした後であれば、今度は色々な知識を自分から吸収していくことができます。
様々な素材、参考書以外の小説や雑誌、ドラマのスクリプトなどを音読することにより、実質的な教科書として使うことができるわけですね。
なかでも小説は読んでいて入り込めることが多く、生きた英語の知識の吸収という面で非常に優れています。
学校の国語の授業でも音読をさせられたと思いますが、あれも表現力を磨いていくためには必要な練習だったわけです。
このような知識の吸収(蓄積)と小説の利用については、下の記事が大いに参考になりますので、ぜひ読んでみてください。
【参考記事】
発音練習はメリットが非常に多い
このブログでは何度も書いていることなのですが、英会話の上達では発音練習は非常に大切です。
英語の発音練習をすることで、話すことだけでなく聞きとる力も伸び、あなたの英会話練習に大きなメリットがあります。
【参考記事】
英会話は体を通じて身につける実技科目であり、そのため英語の音読は大変大きな意味を持ちます。
ですので、英語の音読をする際には自己流ではなく、正しいフォームも身につけていくことが大切なんですね。
英語の発音練習というと「難しそう」と思いがちですが、実際にははものすごく難しいことではありません(練習は必要ですが)。
英語の発音というものは、知ってしまえば「あ、そういうことだったのか」と思ってしまうこともある、けっこう単純なものだったりするんですね。
そして、きちんと練習すれば2~3カ月、長くても半年程度で、通じる発音は身についてきます。
必要な努力や練習の量と、それに対するメリットを考えると、やらない理由は1つも無いですよね。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、英語の音読をしても英会話が上達しない2つの理由と対策について、説明してきました。
繰り返しになりますが、音読は学んだ基礎知識(単語や文法)をしっかりと定着させるための方法ですので、定着させる知識が無いと効果はありません。
また、音読だけでは英会話にはならず、音読ができるようになったら、英文を作る練習などの「英会話への移行」が必要です。
この流れによって、英会話をモノにするための基盤が作られていくわけですね。
あなたが英会話をモノにし、あなたの望む未来を手に入れることを、私は応援しています。
むさし