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口頭英作文、やっていますか?
自分から英語で発信する練習は、知識として学んだ『知識』を英会話に必要な『技術』に変えてくれます。そして、その際に『使い回せる英語表現』を仕入れておくと、便利な道具として大きな力になります。
今回紹介する英語表現は『~ではないにしても(~ではないものの)』という英語表現です。
例えば、『今年の売上は、去年の3倍ではないにしても、2倍以上になった』とか、『全員ではないものの、この町のほとんどの人がその映画を見た』など、日常的に使う場面が多い表現です。
では、これらは英語でどう表現するのでしょうか。
この記事の目次
『~ではないにしても』の英語表現
3倍ではないにしても2倍以上になった
結論から言いますと、これは “if not ~” と表現します。
上の例にあるように、『今年の売上は、去年の3倍ではないにしても、2倍以上になった』であれば “The sales of this year is more than double of last year, if not triple.” などと言います。
また、『全員ではないものの、この町のほとんどの人がその映画を見た』という例文であれば、 “Most people in this town, if not everyone, watched that movie.” になるでしょうか。
なお、ここで使われている “most” は “many” や “lot” の最上級ではなく、『ほとんどの』という意味の方ですね。
ちょっと例題
ではここで、一つ例題を出したいと思います。
あなたは会社で、ある仕事を人にやってもらおうと思っています。そこでその人に頼みにいくのですが、今日や明日じゃなくても今週中に仕上げてほしい、というとき、どう頼みますか?
頼み事ですから、“Can you ~” とか、丁寧に言うなら “Would/Could you ~” で始めますねよ。
では『仕事を仕上げる』という表現は?
“finish this job” や “complete this” でも通じなくはないでしょうが、“have/get this done” という表現が一般的ですね。have や get を使って『~を~の状態にする』と表現するわけです。
次に、『~までに』と期限を設定するのはどうすればいいでしょうか。
通常、期限を示すには “by ~” を使います。しかし、『今週中』と幅を持った期間中に、であれば、”within” を使うことが一般的です。この場合、“within this week” になりますね。
おっと、今回のテーマを忘れていました。『今日、明日でなくても』というのは “if not today or tomorrow”ですね。
そう分かれば、あとは文にするだけです。
“Would you get this done within this week, if not today or tomorrow?” となるでしょうか。
この “Would you ~” の代わりに、”I’d appreciate it ~” を使う言い方もあり、その場合は “I’d appreciate it if you could get it done within this week, if not today or tomorrow.” のようになります。
このように、依頼をする表現、期限を設定する表現、『~ではないにしても』の表現などを仕入れて使えるようにしておくと、英文を作ることが楽になってなってきます。
知っているだけでなく、使い倒してモノにしていきましょう。
『空気中を飛んでいる英語表現』をつかまえる
今回の英語表現の出どころ
ちなみに、私はこの “if not ~” という表現を、教科書や参考書で学んだわけではありません。この表現は、実はテレビCMから拾ったものなのです。
ある日テレビを見ていると、中小企業や個人企業向けにオンラインで簡単に名刺やチラシなどを作るサービスのCMが流れていました。
そのCMでは利用者の声として、花屋さんから会計事務所までいろいろなカスタマー(本人)が出てくるのですが、上に挙げた売上の例文はそのCMの中の花屋さんのセリフなんですね(少し表現を変えましたが)。
そのとき私は、『あれ、この “if not ~” って表現、聞いたことないぞ。でも、前後から考えると、~ではないにしても、って意味だよな』と考えました。
その後、気をつけて見ていると、実はあちこちに使われており、どれも文脈から考えると『~ではないにしても』という意味になることを発見したのでした。
このように、聞いたことがない、見たことがない表現も、自分の想像力を使って前後から推測する習慣をつけると、記憶に強く刻まれて身についていきます。
そのようにして、目や耳に飛び込んできた表現、いわば『空気中を飛んでいる表現』をつかまえて自分のものにしていくことが、英会話上達の近道です。
日本にいながら『空気中を飛んでいる英語表現をつかまえる』方法
この方法は、もちろん英語圏で生活するほうが有利ではありますが、日本でできないわけではありません。
日本にいても、英語の雑誌や小説などで追体験できますし、Youtube なども利用できます。
そのようにして、『空気中を飛んでいる英語表現』をつかまえる、ということを意識して日頃の練習に加えると非常に効果的です。
なお、雑誌広告やテレビCMというのは、言葉のマジックがなりふりかまわず盛り込まれている分野ですので、心に届く自然な英語表現を学ぶために適しています。
ただし、この方法に取り組むにはリスニング力が必要となりますので、次の記事を参考にしてリスニングの強化に取り組んでみて下さい。
https://eikaiwa4toeic700.com/training/essential-training/effective-listening-training/
もう一つ例を紹介
もう一つ、テレビCMなどで拾える英語表現の例を紹介しましょう。
それは、最初の例文にある “double” や “triple” を『2倍になる』『3倍になる』という意味の動詞として使う表現です。
日本と同じく、アメリカでもテレビ通販が盛んで、通常のテレビ番組のCMにもよくテレビ通販が流れています。
そのようなテレビ通販では、日本でも『それだけじゃないんです!』と言ってもう一つ無料でつけたりしますが、アメリカでも “But wait! We double your order!” と言って、『あなたの注文を2倍にします(=もう一つタダでつけます)!』と言ったりしてます。
得した気分にならなくもないですが、1個でいいから半額にしてよ、と思うのは私だけでしょうか。。。
まとめ
ここまでの内容を、以下に3点でまとめます。
- 『~でないにしても』の英語表現は “if not ~”。
- 用途に応じた英語表現を仕入れて使えるようにしておくと、英文を楽に組み立てられるようになる。
- 生の英語に触れ、目や耳に入る表現(空気中を飛んでいる表現)をつかまえることが、英語表現の蓄積に効果的。しかし、リスニングの強化が必要。
このように、今後も使える英語表現をどんどん紹介していきますので、ぜひ使い倒して英会話をモノにしていって欲しいと思います。
あなたが英会話をモノにし、望む未来を手に入れることを、私は応援しています。
MUSASHI