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第2回は『~ごとに』の英語表現をご紹介します。
『~ごとに』という表現、日本語でも良く使いますよね。
『8時間ごとに薬を飲む』とか『都道府県ごとに分類する』といった感じです。
実はこの「~ごとに」、内容によって2種類の表現があります。
それぞれの表現を、実例つきで紹介していきましょう。
この記事の目次
日本語では同じだけど、英語では2種類ある?
英語で「~ごとに」と言いたいときの2種類の表現。
1つ目は『繰り返しの単位』としての『~ごと』。
上に挙げた『8時間ごと』とか『3日ごと』という場合の『~ごとに』ですね。
もう一つは、『分類の単位』としての『~ごと』。
『都道府県ごと』とか『科目ごと』などという場合に使われます。
ではそれぞれ、英語ではどのような表現になるのでしょうか。
繰り返しの単位としての『~ごと』の英語表現
まずは繰り返しの単位から。
『8時間ごと』『3日ごと』の場合
これは、“every”を使います。
『8時間ごとに』なら“every eight hours”ですし、『3日ごとに』であれば“every three days”になります。
例えば『この薬を8時間ごとに2錠飲まないといけない』というのであれば、
I need to take 2 tablets of this medicine every eight hours.
ですね。
日本語で『3日に1回』という場合でも同じですよね。“every three days”です。
“I visit my parents every three days because they are very old. (うちの両親はとても年老いているので、私は3日に一度、両親を訪ねている)”のように使います。
では、『5日に2回』の場合の表現は?
では、『5日に2回』ならどうでしょうか。少し考えてみて下さい。
これは、繰り返しなのか、そうで無いのかによりますが、繰り返しの場合、つまり『5日ごとに2回』であれば、“twice in every 5 days”になります。
そうではなくて、たまたまこの5日間に2回、という場合、例えばある人にばったり2回出会った、しかもこの5日間で、という場合には、“twice in the past 5 days”になるでしょう。
『いや~、斉藤さん(仮名)にこの5日間で2回、ばったり出会っちゃったよ~』という日本語であれば、
You know, I ran into Mr. Saito twice in the past five days.
ですね。”You know”はあっても無くてもかまいません。
ちなみに “run into ~” は『~とばったり出会う、出くわす』、という表現です。
分類の単位としての『~ごと』の英語表現
次は、分類の単位としての『~ごと』です。
こちらは“by”を使います。
『都道府県ごとに』であれば、“by the prefecture”ですし、『科目ごとに』であれば“by the subject”になります。
例えば、『応募者を都道府県ごとに分類しよう』であれば、
Let’s sort all applicants by the prefecture.
になります。
また、『私の学校は昔、科目ごとに最優秀生徒をを表彰していた』であれば、
My school used to award the best students by the subject.
です。
この時に注意して欲しい点は、“the” が付く、という点です。
“by the prefecture” とか “by the subject” というように、必ず『the』が付きます。
そしてその後の名詞は単数形です。
これはなぜなのか、理由を知っていますか?
私は知りません。
よくある話ですが、このようなルールは『そういうもの』として記憶しています。
言語にはこういった『そういうもの』が付き物ですから、深く考えずに覚えてしまいましょう。
ちなみに “used to ~” は『昔よく~していた』という表現で、昔のことを思い出して(懐かしんで?)言う場合によく使われます。
日常会話の例としては『君、タバコ吸う?』『昔は吸ってたんだけど、もうやめたよ』という会話は、
Do you smoke?
I used to, but quit.
という感じになります。
返答側では『吸ってた』ということは省略できるので、すごくシンプルになりますね。
直径50センチのピザを食べるハメにならないために・・・
ピザを「一切れごと」に買うと
また、この”by”は、こんな場面でも使われます。例えば、ピザを買いに行く場面。
日本ではあまり見られないかもしれませんが、うっかりアメリカのピザ屋の店頭でピザを買うと、1枚まるごと出てきたりすることがあります。
しかも、直径16インチ(約50センチ)以上の大型ピザ。大きすぎて困ってしまいますよね。
このような場合、1枚丸ごとの場合には “as a whole”、切り分けたスライスごとで買うのであれば、“a slice of” か “by the slice” と表現します。
例を挙げるならば、
Can I have ranch bacon chicken pizza by the slice?
という感じです。
ちなみに ranch bacon chicken pizza というのは私が以前住んでいた家の近所の手作りピザ屋で売っていたピザです。
刻んだ厚切りベーコンとフライドチキンが手作り生地上のチェダーチーズの上に並べられ、その上にranch dressing(ちょっと酸っぱいクリーミーなドレッシング)がたっぷりかけられています。
本格大型オーブンでパリッと焼いた後にルッコラやトマトなどの新鮮野菜がたっぷり乗せられて、一口ごとに(with every bite)もう昇天ものです。
あの食べきれないぐらいの一切れが4ドル(今は450円?)弱で食べられるなんて…。
ううう、もう一度食べたい…。
すみません。美味しいピザを思い出して取り乱してしまいました。
ワインを「グラスごと」で注文する場合
またまた追加になりますが、ワインを(ボトルではなく)グラス単位で注文するときにも“by the glass”と言います。
このように、日本語と英語は1対1で対応するわけではなく、日本語の中身によって使う英語表現も違ってきますので、そこに注意して英語表現をストックして下さいね。
まとめ
これまでの内容を、以下にまとめます。
- 日本語と英語の表現は一対一で対応しているわけではなく、日本語の内容によって英語の表現も変わってくる。
- 繰り返しの単位としての『~ごと』の場合には、every を使う。『3日ごと』であれば“every three days”。
- 分類の単位としての『~ごと』の場合には、by を使う。『教科ごと』であれば“by the subject”。このとき、後ろの名詞には the が付き単数形になる。
- その他、run into ~ は『~に出くわす』、used to ~ は『昔はよく~していた』という表現。
今回の表現は参考になったでしょうか。ぜひ英語で独り言を言うときに使い回して、自分のものにしていって下さいね。