『カレーよりもむしろラーメン気分』の英語表現とその応用

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カレーよりもむしろラーメン、の英語表現

今回の記事は、『カレーとラーメンのどちらが真の国民食か』を考える、わけではなく、『AよりもむしろB』という英語表現と、その応用を紹介していきます。

この表現は、何か2つのものを比べて『どちらかと言えばこっち』と言う英語表現です。その『こっち』と選んだほうが、あなたの本音というわけです。

『海よりはむしろ山に行きたい』とか『ユニークな人と言うよりはむしろ変人』など、『~よりもむしろ○○』という表現は日常生活でもよく出てきますよね。

このような表現は使い道が広いので、あなたの英会話の一部にして使い回すことが英会話をモノにする近道になります。

では、さっそく見ていきましょう。

『~よりも○○』の英語表現は?

まずは『比較』を使って作文してみる

今回の表現は、ものを2つ比べているわけですから基本的には比較です。少し復習になりますが、比較というのは英語でどう表現するのでしょうか。

そう、形容詞の比較級(または more + 形容詞・副詞) + than ~ でしたね。『より速い』であれば “faster” 、『より美しい』であれば “more beautiful” ですね。

ではタイトルに挙げた『カレーよりもむしろラーメン気分』という日本語は、どのような英語になるでしょうか。

私なら

“I am in the mood of ramen more than curry now.”

と言います。発想としては、『カレーよりももっとラーメン気分状態にいる』という意味の英文を組み立てる、という感じでしょうか。

このように2つのものが同じ線上に並んでいて、『AよりもB』という『好き嫌い』を言う場合には “(I like) A more than B” という言い方でも正解です。

ちなみに “in the mood of ~” は、読んでそのままの『~の気分』という言い方で、レストランや食べ物を選ぶときに

“What mood are you in?”

と相手の食べたいものを聞く表現も使われます。

『むしろ』をそのまま表現する英語表現

上のように程度の大小を比べる場合ではなく、性質の違うものを2つ比べて『~よりもむしろ○○』という場合には、『むしろ』をそのまま表現する英語表現が使われます。

例えば『彼女のお店はパン屋というよりもむしろケーキ屋だ』というような場合ですね。

それは “rather” という単語で、比較の場合と同じように『~よりもむしろ』というなら “rather than ~” という表現になります。

上に挙げた例文、『彼女のお店はパン屋というよりもむしろケーキ屋だ』という場合であれば、

“Her shop is a cake shop rather than a bakery.”

になるでしょう。

ケーキ屋

『A というよりもむしろ B』の英語表現は “B rather than A”


また、あなたの周りに変わった人がいて、誰かが『あの人ユニークだね』と言ったとき、『いやいや、ありゃユニークっていうより変人って呼びたいよ』と言いたかったどう表現できるでしょうか。

発想としては、『自分だったら彼をユニークというよりむしろ変人と呼ぶ』という意味の英文を組み立てることになりますから、

“I would call him eccentric, rather than unique.”

という表現に組み立てられます。

なお、この表現は程度の大小にも使えますから、タイトルの『カレーよりもむしろラーメン気分』であれば

“I am in the mood of ramen rather than curry.”

としても使えます。

モノどうしではなく文を比較する場合

ここまでは、2つのものを比べて『~よりもむしろ○○』という表現を紹介してきましたが、rather はもう少し進んだ使い方もできます。

それは、文と文をつなぐ、比べる言い方です。自分が直前に言ったことを受けて『むしろ~だ』と、自分の主張につなげる言い方ですね。

これだけでは分かりにくいかと思いますので、例を挙げてみます。

『犬が嫌いだなんて言ってないよ。むしろ大好きさ』という場合であれば、

“I am not saying I dislike dogs. Rather, I love them.” 

という表現になります。

ダックスフンドの子犬

『犬嫌いではなく、むしろ犬好き』の英語表現は “I don’t dislike dogs. Rather, I love them.”


この場合、前の部分には何かを否定すること(犬が嫌いではない)を言い、rather でつないだ後ろの文で強調する(むしろ犬好き)、という使い方になります。

この文では『実は、実際には犬好き』という言い方もできますから、rather の代わりに “In fact,” や “Actually,” でもいいでしょう。

応用:『~するぐらいなら死んだほうがまし』の形の英語表現

次は、rather の応用的な使い方として、『行動を比べる』表現を紹介していきます。『~するぐらいなら死んだほうがまし』という物騒な表現も、行動を比べて『~よりもむしろ○○』と言っているわけです。

これは、“I would rather ~ than ~.” という形で使われ、~の部分には動詞の原形が使われます。

例えば『それを食べるぐらいなら飢えて死んだほうがまし』というなら、

“I would rather starve and die than eat it.” になりますね。言われたら傷つきそうな言葉ですが。。。

他にも『捨てるぐらいなら取っておくよ』と言いたいなら、

“I would rather keep it than dump it.” になるでしょうか。

下の画像はアメリカの人気コメディドラマ “King of Queens” の1シーンですが、この中で “I would rather die than say it!” という表現が使われています(0:41辺り)。

King of Queens Ketchup scene

『~するぐらいなら死んだほうがまし』の英語表現(0:41) クリックで動画に飛びます


このシーンは、主役の Doug に彼の奥さんのお父さん(Arthur)がケチャップを取ってもらうとしたところ、発音がおかしかったので Doug が『きちんと発音したら渡してあげるよ』と言うシーンです。

このことが発端になり二人の『大人げない戦い』がエスカレートしていくのですが・・・。

本文とは関係ありませんが、私はこの “King of Queens” がけっこう好きでして、テレビで再放送を見たり Youtube で過去のエピソードを見たりしています。

コメディ番組なので誇張はあるのでしょうが、基本的に男は『いつまでも子供』のように描かれ、毎回のように Doug と Arthur の『いい年した大人の大人げない戦い』が出てきます。

KOQ 3D glasses

アメリカの人気ドラマ “King of Queens” では、『男はいつまでも子供』のように描かれている(クリックで動画に飛びます)


アメリカでは大ヒットでも日本では知名度がないのですが、フレンズのような恋愛要素は少ない(むしろ夫婦喧嘩多し)ので、私のように恋愛ドラマが苦手な人におすすめです。

ちなみにタイトルに出てくる “Queens” はニューヨークの東側の地域で、そのタイトルの通りこのドラマはニューヨークを舞台にしています(それほどニューヨークを全面的に出してはいませんが)。

まとめ

ここまでの内容を、下に3点でまとめます。

  • 『~よりもむしろ』は、rather than を使うと『むしろ』というニュアンスを直接表現できる。
  • 文を rather でつなぐ場合、前の文で否定した内容を後ろの文で強調する表現になる。
  • 『~するぐらいなら死んだほうがまし』という『行動を比べる場合』には、”would rather ~ than ~.” の形になる。

今回も応用範囲の広い表現を紹介しました。このような表現で『あれって英語でどう言うの?』という疑問を解決していくことが、英会話をモノにすることにつながっていくのです。

あなたが英会話をモノにし、あなたの望む未来を手に入れることを、私は応援しています。

MUSASHI

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