発想はいいけど実際には使えない?7+ English(七田式)の感想・評価

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七田式教育を応用した暗記系英会話教材 7+ english
むさしです。

「世界の七田式」を発展させ応用した、という触れ込みの「7+ English」という教材が、楽天などで1位や2位を争う人気のようですね。

この教材は60日で60パターン、600フレーズを覚える、というのがポイント。

実際に英会話上達に役立つのか、私の独自の視点からチェックしていきたいと思います。

※現時点では教材内容の詳細を未確認であり、この記事は公式ページその他の情報に基づく私の見解です。

「7+ English(七田式)」の概要

それではまず、教材の概要、制作者の情報、教材の内容を紹介していきます。

教材の概要

「7+ English(七田式)」は、幼児教育などの分野で有名な「七田式教育」を応用した英会話教材です。

ネイティブスピーカーの会話は、実際には60ほどのパターンの組み合わせでできており、

それを覚えることで会話をすることができるようになる、というコンセプトで制作されています。

また、七田式の特徴でもある「記憶」の部分については、特殊な音声を使用して記憶への定着を図っています。

制作者の情報

「7+ English(七田式)」は、七田眞氏が創始した七田式を展開する「株式会社しちだ・教育研究所」が制作協力しています。

眞氏は高校時代、短期間に大量の英単語を覚えて東大の入試問題も解けるようになったという逸話を残しており、

この教材はその記憶方法をベースとし暗記と記憶の定着が中心に置かれています。

教材の内容

「7+ English(七田式)」は、ネイティブスピーカーの会話は実はパターンの組み合わせによってできているという分析に基づいて作られています。

その中でも最もよく使われている以下の60種類を抜き出して、例文を10個ずつ、合計600個暗記していくわけですね(クリックで別窓表示します)。

7-plus english 表現リスト一覧

また、テキストは会話形式ではなくフレーズ集となっており、「そのパターンを使って自分がどのように言うか」というフレーズを覚えていくことになります。

本テキストではなく特典では、そのようなフレーズのニュアンス、使い方などの説明を学ぶことができるとのことです。

またリスニングに関しては、公式ページでは「七田式で使用される音声を聞くことにより、英語の聞き取りも上達する」と書かれています。

内容を紹介したところで、次に「7+ English(七田式)」の感想と評価へ進みます。

「7+ English(七田式)」の感想・評価

1.教材の位置づけ

この教材は、なかなか位置づけが難しいですが、下の図の第1段階を飛ばして第2段階の練習をする、という内容ですね。

英会話の上達は3段階に分かれていて、下から順に積み上げることが必要

あまり語られることが無い話かもしれませんが、英会話の上達は上の図に示すような3段階から成り立っています。

まず最初は単語や文法などの基礎知識を身につける「基礎体力(第1段階)」、そして学んだ知識を使えるように練習する「技術練習(第2段階)」、最後に実際に使う「実戦(第3段階)」です。

具体的には、第2段階には基本的な文法や単語・表現を使った口頭英作文発音練習、第3段階には実際の英会話(英会話学校を含む)が該当します。

英会話というものは、これを下からきちんと積み上げることが、面倒でも上達の近道になるんですね。

いきなり第2段階の練習ということは、第1段階の基礎的な事項が身についていることが前提となりますので、

基礎力のない初心者には、覚えた表現を使い回すことは難しい、ということが考えられます。

2.教材は分かりやすい?詳しい説明は?

教材内容は、どちらかというとフレーズ集?

教材内容の詳細は未確認ですが、他の使用者の人の口コミでは覚えるフレーズが列記された「フレーズ集」のようなもので、

例文でつかわれている表現の説明は少ない印象を受けました。

理解するための説明が無いと表現を使いこなせないのでは?

また、これは憶測ですが、文法的な解説などで「理解させる」説明も不足しているのでは、とも思います。

例えば、この教材で紹介されているパターンの中に “That’s what ~”“That’s why ~” という表現が別々のものとして挙げられているのですが、

実はこれらは文法的には根が一緒なんですよね。

関係副詞について理解ができれば、

  • 物事の場合は what
  • 理由の場合は why
  • 場所の場合は where
  • 時の場合は when

などと使い回しができるわけです。

そのように「理解すること」が大人の英語学習には必要なのですが、それを無視して「フレーズ暗記」をしても効果は薄くなってしまいます。

このような点からも、この教材は英語の基礎力の無い人には効果の薄い教材では、と感じましたね。

3.スピーキングへの効果は?

この「7+ English(七田式)」はスピーキングに特化した教材ですが、

率直に言って「発想はいいけど効果は疑問では」という感想を持っています。

フレーズ暗記ではなく表現パターンを身につけるのは有効だが…

私は「英会話フレーズ丸暗記」には反対ですが、「英語でこう言いたい!」というための表現パターンを自分の中に持っておく、ということは有効だと考えています。

言ってみれば「英会話の部品」を取り揃えておく、ということですね。

当サイトの「自分で話せるための英会話表現」のシリーズも、そのような目的から作成されています。

もちろん知っているだけではなく、使えるようになることが目的ですので、それらを使って自力で英文を組み立てる、という練習が非常に大切になります。

この教材でそのような「使い回し練習」が豊富に用意されているのかは不明です。

しかし公式ページの内容や他の人の口コミなどを参考にすると、私が反対している「フレーズを丸暗記する」ことが教材の内容のように見受けられます

せっかくの「表現パターン」が活かせずに残念

この教材で紹介されている60種類のパターンを見てみると、それなりに使い勝手のよい表現が多いので、

丸暗記ではなく「理解して使いまわす」方向に進めばスピーキング力のつく教材になるのにな、と少し残念に思いました。

ただし、文法や単語の基礎があり、書かれている英文の中身を組み替えて英作文が自分でできる人には、会話表現のパターンのストックとして役立つはずです。

そうでない基礎力の無い人の場合には、フレーズを覚えても「そのフレーズ以外のことは言えない」という結果になる可能性が高いかもしれません。

4.リスニングへの効果は?

この教材では七田式の特徴である1.5倍速や3倍速で音声を聞く方法が使われています。

これはフレーズを暗記するには良いのでしょうが、暗記した音声以外のものを聞き取って理解する効果は今一つ疑問ですね。

基本的に、英語の聞き取りは「音の理解」「意味の理解」が必要となります。

「音の理解」は音を聞き分ける力、「意味の理解」は聞き取った英語を理解する力です。

そもそも音が聞き分けられないと分からないし、音は聞き取れても理解できないものはやっぱり聞き取れない、というわけですね。

これらはそれぞれ鍛え方が違うのですが、一つ言えることは「どちらも英語の音声を聞いているだけでは鍛えられない」ということ。

実際の英会話はCD通りにはいきません。

CDの音声だけ聞き取る練習をしていると、違う単語が使われたら音が聞き分けられということも起こります。

また、違う表現が使われたらたちまち分からなくなってしまう、ということも起こってしまいますよね。

公式ページその他の情報を見る限りでは、リスニングに欠かせない発音練習や英文読解が含まれているかは不明ですので、リスニングが身につく効果についても不明です。

「7+ English(七田式)」が向いている人

以上の特徴から、この「7+ English(七田式)」は次のような人に向いています。

  • 英語の基礎的な事項(文法や単語)が分かっていて、基本的な英作文はできる人
  • そのうえで、英会話で使われる表現パターンを自分の中にストックしたい人
  • 楽に英文を記憶する方法を知りたい人

では最後に、以上を踏まえた総評です。

総評

評価:評価保留

  • 表現パターンを自分の中にストックするという発想はいいが、使いこなすには結局文法の力が必要
  • 基礎のない初心者には効果が薄いが、文法の基礎が分かって基本的な英作文ができる人にはパターン練習のネタとして役に立つかも

なかなか売れている人気教材ではありますが、基礎力が無いと「パターンを覚えても使いこなせない」という結果になりがちな教材だと感じました。

楽に英語が話せるようになりたい!と思っていると、どうしても「英文法なんか不要!」というキャッチフレーズに飛びつきがちです。

でも結局は、文法の基礎が分かっていないと覚えた表現パターンを自分のものにはできないんですね。

英会話が上達する、ということは「英語の仕組・ルールを知り、それを使いこなせるようになること」です。

そのためには、英語の基礎である文法から逃げることはできません(会話には難解な文法は要りませんが)。

そのような基礎のない人には、英語の基礎を積み直し「自力で自在に英文を作り上げる力」を付けるこちらの教材をおすすめします。

>> 中学レベルの初心者が自力で話す実力をつけるための王道英会話教材

こちらは地味ではありますが、フレーズ暗記とは真逆の「本当の英会話力」を追求した初心者用動画教材で、おすすめできる内容です。

七田式で学ぶようなパターン学習は、それを使い回せる基礎力のある人には効果のある学習法であることは確かです。

しかし、もし中学レベルの英語に不安があるのであれば、上のような教材で基礎を固めることが先決であり、

長い目で見れば正解、と私は信じています

むさし

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